夏の帽子って、薄毛にとって難しい存在です。
日差しは避けたい。視線も避けたい。だから被りたい。
でも、被ると蒸れる。汗をかく。そして脱いだ瞬間、髪がペシャンコになってる。
被れば蒸れる、脱げばバレる。この二択で、僕はずっと悩んできました。
帽子は、最強の味方だった
まず、帽子のいいところから。
薄毛を気にしてた頃、帽子は本当にありがたい存在でした。
かぶれば、頭頂部が見えない。上から見下ろされても平気。人の視線を気にしなくていい。あの安心感は、他に代えがたいものがありました。
日差しも避けられるので、頭皮の日焼け対策にもなる。実用面でも優秀なんです。
だから、外出時はほぼ帽子でした。夏はとくに。「今日は帽子なしでいくか」と考えることすら、なかった気がします。
でも、夏の帽子は蒸れる
問題は、ここからで。
夏に帽子をかぶると、当然ながら蒸れるんです。
頭に熱がこもる。汗が溜まる。帽子の中が、サウナみたいになる。しばらく歩いてると、内側がじっとり濡れてくる。
そもそも帽子そのものがAGAの原因になるかどうかは、帽子とAGAの関係を調べた別記事で検証しました。結論だけ言うと直接の原因ではないんですけど、蒸れっぱなしにすると頭皮環境が悪くなる可能性はある、というのが実際のところです。
守るためにかぶってる帽子が、頭皮にダメージを与えてるかもしれない。この矛盾が、地味にストレスでした。
ついでに調べたら、帽子のにおいについても納得の説明がありました。
頭皮は皮脂の分泌が多い部位で、その皮脂が常在菌に分解されたり酸化したりして脂肪酸になる。これがにおいの原因になる、と。
しかも皮脂や脂肪酸は油性なので、水やお湯だけでは簡単に落ちない。だから帽子の内側に蓄積していく。
帽子が普通の衣類より臭いやすいのは、頭に長時間密着して通気が悪くなりやすいからだそうです。
「汗くさい」と思っていたけど、実際は汗の酸っぱさと皮脂の脂っぽさが混ざったにおいだった、という指摘もありました。
薄毛で皮脂が多めの自覚がある身としては、耳が痛い話です(汗)
そして、脱いだ瞬間が地獄
もっときついのが、脱いだあとです。
帽子を長時間かぶって、汗をかいた状態で脱ぐと。
髪が、完全にペシャンコになってるんです。
汗で濡れて、帽子で押さえつけられて、頭皮に張り付いてる。ボリュームゼロ。地肌がくっきり。しかも帽子の跡までついてる。
これ、薄毛にとって最悪の状態です。守るために被ってたはずが、脱いだ瞬間に一番ひどい姿になる。
だから、帽子を脱ぐタイミングにすごく神経を使ってました。人前で急に脱がない。脱ぐ前に、こっそりトイレで髪を直す。ドライヤーがあれば最高だけど、外だとそうもいかない。
「被ってれば安全、でも一生被ってるわけにいかない」。この詰み具合が、夏の帽子問題の本質でした。
室内で「脱げよ」と言われる気まずさ
もうひとつ、地味にきつい場面があって。
飲食店とか、友人の家とか。室内で帽子をかぶったままでいると、たまに言われるんです。
「いつまで帽子かぶってんだ、脱げよ」って。
相手に悪気はないんです。マナー的にもその通りだし、単なる軽口だったりする。でも、こっちからすると、そう簡単な話じゃない。
脱いだら、汗でペシャンコになった頭を見せることになる。しかも、みんなが見てる状況で。それが嫌で、かぶり続けてる。
でも、その事情を説明するわけにもいかない。だから僕は、笑いながら「いや、帽子の跡ついてるから」とか適当にごまかしてました。
嘘ではないんです。実際、跡はついてる。ただ、本当の理由はそこじゃない。あの、笑ってごまかしながら心の中でヒヤヒヤしてる感じ。同じ経験がある人、けっこういるんじゃないかなと思います。
蒸れ対策、ちゃんと方法はあった
悩んでいたわりに、対策を調べたのはずっと後になってからでした。
まず、通気性のいい素材を選ぶこと。表にまとめておきます。
| 素材 | 特徴 |
|---|---|
| メッシュ | 通気性がもっとも高く、蒸れにくい |
| サマーニット | 軽くて柔らかい。ある程度の通気性あり |
| 綿(コットン) | 吸水性・通気性に優れる |
| 麻(リネン) | 涼感があり、夏向き |
次に、こまめに脱いで蒸れを逃がすこと。長時間かぶりっぱなしにしないのが基本だそうです。
そして、これは目からウロコだったんですけど。たためるタイプの帽子を選ぶと、こまめに脱ぎやすい、と。
たしかに〜。かさばる帽子だと、脱いだあとの置き場に困るから、結局かぶりっぱなしになる。物理的に脱ぎやすくしておく、という発想はなかったです。
帽子のケアについても、具体的な方法がありました。
まず、かぶり終わった帽子をすぐバッグや棚にしまわないこと。内側に湿気がこもるので、風通しのいい場所にしばらく置いて、内側まで乾かす。
汗がついていたら、固く絞ったタオルで拭いておく。ホコリは衣類用ブラシで落とす。
そして、洗うときは型崩れしやすいので手洗いがおすすめ。洗濯機を使う場合は、ネットに入れて単独で洗う、と。
汗や皮脂がにおいになる前に乾かす。この意識が大事だそうです。
僕、かなり長いこと、脱いだ帽子をそのまま玄関に放り投げてました。そりゃ臭くもなるわ、と反省しています。
帽子に頼りすぎると、抜けられなくなる
長く帽子生活をしてて、気づいたことがあります。
帽子って、頼りすぎると抜けられなくなるんです。
かぶってれば安心。だから、かぶる。かぶってる時間が長くなると、脱いだときの落差が大きくなる。落差が大きいと、余計に脱ぎたくなくなる。
この繰り返しで、どんどん帽子なしでいられなくなる。気づけば、帽子が「便利な道具」じゃなくて「ないと外に出られないもの」になってた。
隠すって、そういうところがあります。守ってるつもりが、だんだん依存になっていく。逃げ道を作れば作るほど、逃げ道なしでは動けなくなる。
これは、整髪料で必死に隠してた頃とも、同じ構造でした。
今は、帽子との距離感が変わった
で、今はどうかというと。
帽子は使うけど、依存はしてません。
治療を続けて、脱いでも致命的じゃない状態になったのが大きいです。汗でペシャンコになっても、「まあ、こんなもんか」で済む。あの頃みたいに、脱ぐのが恐怖じゃなくなりました。
パーマをかけてるのも効いてて、多少つぶれてもある程度は戻ってくれる。
だから今は、帽子を「隠すため」じゃなく「日差しを避けるため」にかぶってます。本来の用途ですね。頭皮の日焼け対策としては、帽子はやっぱり優秀なので。
隠す道具から、実用の道具へ。同じ帽子でも、意味が変わりました。この変化が、地味に一番うれしいところです。
帽子が手放せない人へ
もし今、帽子なしでは外に出られない人がいたら。
その気持ち、めちゃくちゃわかります。僕もそうでした。帽子は本当に心強い味方なので、頼るのは全然アリです。
そのうえで、対策だけはしておいたほうがいい。通気性のいい素材を選ぶ。こまめに脱ぐ。帰ったら乾かす。定期的に洗う。
被る前提でいくなら、頭皮環境を守る工夫はセットで。じゃないと、隠すために髪を痛めるという、一番もったいないことになるので。
ただ、被れば蒸れる、脱げばバレる。この二択で消耗し続けるのは、しんどくないですか。少なくとも僕は、しんどかったです。
帽子を上手に使いながら、いつか帽子なしでも平気な自分になれたら、夏はもっと楽になります。実際、僕は楽になりました。
今年の夏も、僕は帽子をかぶります。でも、日差しを避けるためです。脱ぐのがこわいから、じゃない。
その違いだけで、夏の過ごしやすさは全然変わります。
最後にひとつ。
帽子って、結局は道具です。日差しを防ぐ道具であり、視線を避ける道具でもある。道具に善悪はありません。
問題は、使う側の状態のほうで。「かぶりたいからかぶる」のと「かぶらないと外に出られない」のとでは、同じ行為でも意味がまったく違う。
だから、帽子をやめる必要はないと思います。やめるべきなのは、帽子がないと不安な状態のほう。
そっちを変えるほうが、たぶん近道でした。

