僕はAGAで、長年治療してます。
でも、ふと思ったんです。「そもそも、抜け毛が増えたら全部AGAなのか?」って。
調べてみたら、全然そんなことなかった。AGAと間違えやすい脱毛症が、けっこうあるんです。しかも、間違えると遠回りになるらしくて。
今日は、その調べてみた話をします。
そもそも、僕はAGAでした
まず前提として。
僕は、クリニックで診てもらって「AGAですね」と言われた側の人間です。生え際と頭頂部が、じわじわ来てるタイプ。長年、その治療を続けてます。
だから、自分の抜け毛がAGAなのは、先生が診断してくれてるので確かなんですけど。
もし、あのとき自分で「これはAGAだ」と決めつけて、市販の薬を適当に買ってたら。ひょっとしたら、全然違うものだった可能性もあったんだな、と。今さらながら思いました。
素人が抜け毛を見ても、「なんか抜けてる」以上のことは、わからないので。
脱毛症って、けっこう種類がある
調べてみたら、脱毛症の種類はいろいろありました。
AGA、円形脱毛症、びまん性脱毛症、休止期脱毛症、抜毛癖(トリコチロマニア)、分娩後脱毛症、牽引性脱毛症、脂漏性皮膚炎による脱毛。
えー、こんなにあるのか。
どれも「髪が抜ける」という点では同じです。でも、原因も治療法もバラバラ。
つまり「抜け毛が増えた=AGA」と決めつけるのは、けっこう乱暴な話だったんですね。
AGAは、こう抜けるらしい
まず、AGAの特徴を整理すると。
調べたところだと、AGAは長い年月をかけて、じわじわ進む脱毛らしいです。生え際がM字に後退するか、頭頂部がO字に薄くなるか。そのあたりから、少しずつ広がっていく。
しかも進行型なので、放っておいて自然に治ることはない、と。だから早く手を打つのが大事、という話につながるわけですね。
僕の場合も、まさにこれでした。ある日突然じゃなくて、気づいたら少しずつ。原因は男性ホルモンと遺伝で、薬でDHTを抑える方向の治療になる。
で、ここからが本題で。この「じわじわ・生え際や頭頂部」というパターンと違う抜け方をするやつが、いくつかあるらしいんです。
円形脱毛症だけは、別記事で詳しく比較してみた
いちばん有名なのが、円形脱毛症です。AGAとの見分け方(進み方の速さ、境界のはっきりさ、抜けた毛の太さなど)は、比較表つきで別記事にまとめたので、そちらを見てもらえたらと思います。
ここでは、その記事を書いていて驚いた数字だけ置いておきます。
円形脱毛症は、年齢や性別を問わず誰にでも起こるそうです。世界人口の1〜2%が一生のうちに一度は経験すると推測されていて、そのうち約70%が30歳以下、15歳以下の子どもが約25%を占める、と。
「薄毛=中年男性の悩み」というイメージがありましたけど、それとはまったく別の世界なんだなと。AGAとは発症する年齢層からして違うんですね。
脂漏性皮膚炎と粃糠性脱毛症は、見分けが難しいらしい
円形脱毛症より厄介なのが、脂漏性皮膚炎による脱毛でした。
これは僕も夏に悩まされているやつで、頭皮の皮脂が増えてマラセチアという菌が増殖し、炎症を起こすもの。それが慢性化すると、抜け毛につながることがある。
見分け方として書かれていたのが、これです。AGAは短い髪の毛が抜け落ちるのに対して、脂漏性皮膚炎は比較的長い髪の毛が抜け落ちる。
お〜、そんな見分け方があるのか。
それと、抜ける場所も違う。AGAは生え際や頭頂部から抜けるけれど、脂漏性皮膚炎は湿疹が起きた場所から抜ける、と。
とはいえ、円形脱毛症と比べると見極めは難しい、とも書かれていました。しかも僕みたいに、AGAと脂漏性の両方を抱えている人もいるはずで。そうなると、なおさら自分では判断できません。
ちなみに、似た名前で粃糠性脱毛症というのもあって。こっちは頭皮の角質異常で、大量のフケを伴うのが特徴だそうです。皮脂が原因の脂漏性とは、また別。
もうひとつ、けっこうハッとしたのが牽引性脱毛症です。
これは、髪を引っ張る力が続くことで起きる脱毛。同じ分け目を続けたり、きつく結んだりすることが原因になる、と。
これで思い出したのが、白髪を抜いていた時期のことです。
目立つ白髪をプチプチ抜いていたんですけど、あれも毛根を傷つける行為です。繰り返すと生えてこなくなる可能性がある、と別の記事で書きました。
つまり、自分の行動が原因で抜けるパターンもある。
薄毛が気になって何かせずにいられない気持ちはわかります。でも、その行動が別の脱毛を呼んでいたら本末転倒なので。ここは気をつけたいところです。
びまん性脱毛症・休止期脱毛症・抜毛癖も調べてみた
ここまでで挙げた以外にも、名前だけ出していた種類があったので、掘り下げておきます。
びまん性脱毛症は、頭部全体がゆっくり均一に薄くなっていくタイプです。AGAと違って生え際や頭頂部に集中せず、全体が薄くなるのが特徴。原因は、ホルモンバランスの変化(40代以降の女性に多い)、甲状腺機能の異常、栄養バランスの偏りなど、幅広いそうです。
休止期脱毛症は、何らかのきっかけで髪が一斉に休止期に入ってしまい、一時的に抜け毛が急増するタイプ。大きなストレス、出産、体調の急激な変化などが引き金になるとされています。ダイエットによる栄養不足がきっかけになるケースは、10キロ痩せたときの記録で詳しく調べたので、気になる人はそちらも見てもらえたらと思います。
抜毛癖(トリコチロマニア)は、これまでの3つとは毛色が違って、精神的な要因によるものでした。「毛を抜きたい」という衝動を抑えられず、無意識・意識的に自分で抜いてしまうそうです。不規則な形の脱毛斑になりやすく、完全に毛がない部分と短い毛が残っている部分が混在するのが特徴、と。
分娩後脱毛症は、出産後のホルモンバランスの急激な変化がきっかけで起きるもので、休止期脱毛症の一種にあたるそうです。特に手を加えなくても、半年〜1年ほどで自然に元の状態へ戻ることが多いそうです。
数が多くなってきたので、ここまでの分を表にしておきます。
| 種類 | 特徴 | 主な原因 |
|---|---|---|
| びまん性脱毛症 | 頭部全体がゆっくり均一に薄くなる | ホルモン変化、甲状腺機能の異常、栄養バランスの偏りなど |
| 休止期脱毛症 | 一時的に抜け毛が急増する | 大きなストレス、出産、栄養不足、体調の急変など |
| 抜毛癖(トリコチロマニア) | 不規則な形の脱毛斑、毛の長さがバラバラ | 無意識・意識的に自分で毛を抜いてしまう |
| 分娩後脱毛症 | 出産後に一時的に抜け毛が増える | 出産に伴うホルモンバランスの急激な変化 |
こうして並べると、「髪が抜ける」というひとつの現象の裏に、これだけ違う理由が隠れてるんだなと、あらためて驚きます。
間違えると、遠回りになる
で、なんでこれが大事かというと。
脂漏性皮膚炎や円形脱毛症による脱毛は、AGA治療薬では改善が見込めないからです。
原因がまったく違うので、当然といえば当然で。AGAの薬はDHTを抑えるものなので、自己免疫や皮脂の炎症には効かない。びまん性脱毛症や休止期脱毛症も、原因(ホルモン・栄養・ストレスなど)にアプローチしないと改善しません。
だから、自己判断でAGAと決めつけて治療を進めると、効果が出ないだけじゃなく、症状が悪化する可能性もある、と書かれていました。
これ、こわい話だなと。「効かないな、もっと強い薬を」と自己流でエスカレートしていくと、本当の原因はずっと放置されることになる。
時間もお金も無駄になって、その間に症状は進む。一番避けたいパターンです。
結局、素人には判断できない
調べれば調べるほど、結論はここに落ち着きました。
自分の抜け毛が何なのかは、素人には判断できない。
今回いろいろ調べて、僕もそれなりに知識はついたと思います。でも、じゃあ自分で他人の頭を見て診断できるかというと、まったく無理です。写真と文字で読んだ程度の知識では、判断材料になりません。
それに、複数のものが重なっている場合もある。僕みたいにAGAと脂漏性を両方抱えていたり、AGAと円形脱毛症を併発することもあるそうです。
だからこそ、最初に診てもらう意味があります。
僕が「AGAですね」と言われたとき、けっこうショックでした。でも今思えば、あれがスタート地点として一番大事なことだった。何と戦っているのかがわかったから、正しい手が打てたので。
抜け毛が増えて不安な人へ
もし今、抜け毛が増えて「AGAかも」と思っている人がいたら。
そうかもしれないし、違うかもしれません。
ネットで調べて自己診断するのは、気持ちとしてはわかります。僕もさんざんやりました。でも、そこで出した結論は当てになりません。
そして、間違えたまま自己流で進めると、遠回りになるだけじゃなく、悪化する可能性もある。
だから、抜け毛が気になったら、まず何が起きているのかを確認する。それが最短ルートかなと。
円形脱毛症や脂漏性皮膚炎なら皮膚科、AGAならAGAを診ているところ。どこに行けばいいか迷うなら、まず皮膚科でもいいと思います。入口はどこでも。
何と戦っているかがわからないまま戦うのが、一番しんどいです。相手がわかれば、やることも決まる。
僕は「AGAだ」とわかったから、長年ちゃんと戦えました。あの診断が、全部の始まりだったなと思っています。
最後にひとつ。
今回いろいろ調べてみて、あらためて思ったことがあります。
知識をつけるのは、自己診断のためじゃないんだなと。
「こういう可能性もあるのか」と知っておくと、相談するときに話が早くなる。「フケが多いんですけど」「短い毛が多い気がして」と、具体的に伝えられるようになる。
判断は任せる。でも、材料は持っておく。この距離感がちょうどいいのかなと思っています。

