AGA治療をしてると、「薬以外にも何かできないかな」って思うこと、ありませんか。
僕はけっこうありました。薬は飲んでる。でも、もっと何か、自分の手でできることはないかと。
それで手を出したのが、頭皮マッサージです。血行がよくなって髪にいい、ってよく聞くじゃないですか。
でも僕、これ、途中でやめました。
「自分でも何かしたい」で始めた
始めた動機は、単純です。
薬に頼るだけじゃなくて、自分の手でも髪に働きかけたかった。マッサージなら、お金もかからないし、家でできる。血行がよくなれば、毛根に栄養が届きやすくなる、みたいな話も聞くし。
「よし、これは良さそうだ」と。お風呂で頭を洗うついでとか、寝る前とかに、指で頭皮を揉むようにしてました。
最初は、けっこう気持ちよかったんです。頭がじんわり温かくなる感じがして、リラックスもできる。「これは続けたら、なんかいいことあるかも」と思ってました。
でも、揉むたびに抜け毛が見える
問題は、そのあとでした。
マッサージをすると、どうしても指に髪が触れる。揉んだあと、手を見ると、抜け毛がついてるんです。
これが、地味にこたえました。
薄毛を気にしてる人間にとって、抜け毛を見るのって、すごくメンタルにきます。それが、自分でマッサージするたびに、目の前に出てくる。「あ、また抜けた」「これ、揉んだから抜けたんじゃ…」って。
もちろん、髪は自然にも抜けるものだし、マッサージのせいで全部抜けたわけじゃないと思います。でも、そんな理屈は、抜け毛を見た瞬間の気持ちには勝てません。
良かれと思ってやってるのに、その結果、毎回抜け毛を見せられて落ち込む。これ、なんのためにやってるんだろう、と。
だんだんマッサージの時間が憂うつになってきて、結局やめました。
調べたら、やっぱり頼りすぎるものじゃなかった
やめたあと、気になって調べてみたんです。「そもそもマッサージって、薄毛に効くのか」と。
いくつか調べた感じだと、こういうことみたいで。
まず、頭皮マッサージは血行促進やリラックスには役立つ。ただ、AGAの主な原因は遺伝的要因と男性ホルモンなので、マッサージだけでAGAが改善する可能性は低い。根本的な解決には至らないので、他の治療との併用が重要、と。
理由もなるほどでした。マッサージはホルモンの作用を直接変えるわけではないので、原因そのものには届かない。
そういえば、日本皮膚科学会のAGA診療ガイドラインを見ても、頭皮マッサージは正式に評価されている治療法の一覧には入っていませんでした。フィナステリドやミノキシジルの外用のように推奨度がついているものではない、ということですね。
やっぱり、生やす・止めるは薬の担当なんですね。ここは、シャンプーのときも育毛剤のときも(育毛剤と発毛剤の違いを調べた記録)、まったく同じ結論でした。
ただし、無意味でもなかった
ただ、こういう研究も見つけました。
健康な男性を対象に、専用の器具で頭皮マッサージを続けたところ、髪の直径が施術前より太くなった、という報告です。海外の医学誌に載っていたものらしいんですけど、元の論文にはたどり着けませんでした。頭皮を伸展させる刺激が、毛髪の成長に関わる遺伝子の働きに影響した可能性がある、と考察されていた、と。
ここ、勘違いしちゃいけないところなんですけど。この研究が示したのは「今ある髪が太くなった」であって、「新しく髪が生えた」ではありません。しかも参加人数が少なく、何もしないグループと比べる対照群もない小規模な研究です。大規模な比較試験ではまだ確認されていない、とも。
だから、これをもって「マッサージで髪が生える」とは言えません。ただ、まったくの気休めでもなさそうだ、というくらいの受け止めが正確なところかなと。
あー、そういう位置づけか〜と。全否定でもなかったんですね。
これは食事や睡眠とも同じ構図です。土台を整えるものは、主役にはならないけど、主役の働きを助けてくれる。そういうポジション。
だから「やっても無駄」ではない。ただ「これで生える」と期待するのが間違いだった、ということです。
やりすぎると、逆効果になるらしい
そして、調べていて一番ハッとしたのがこれ。
頭皮マッサージは、やりすぎると逆効果になるそうです。
1回のマッサージにかける時間は3分程度で十分。それ以上やると、知らず知らずのうちにこすりすぎてしまう。長くやればやるほど髪が生えるわけではない、と。
えー、3分でよかったのか。
やりすぎのサインも、表にまとめておきます。
| チェック項目 | 目安 |
|---|---|
| 1回の時間 | 3分程度で十分 |
| 適したタイミング | 入浴中。湯船で血管が広がり、少ない力でも効果が出やすい |
| やり方 | シャンプー中に泡をクッションにする。乾いた頭皮に直接は避ける |
| やりすぎのサイン | ケア後のヒリヒリ、消えない赤み、かゆみ、地肌の突っ張り、フケの増加 |
それと、過度なケアは必要な皮脂膜まで削ぎ落としてしまう。皮脂は外部刺激から地肌を守るバリアなので、取りすぎると乾燥やトラブルにつながる、と。
乾燥や炎症は、そのままかゆみにもつながります(頭皮のかゆみを調べた記録)。
これ、読んで思ったんですけど。僕、たぶん力を入れすぎてました。
「しっかりやれば効く」と思って、けっこう本気で揉んでたので。あの抜け毛の何本かは、やりすぎのせいだったかもしれません。
表にして初めて気づいたんですけど、僕がやっていたのは「時間」「力加減」「タイミング」の3つとも目安から外れてました。寝る前に、乾いた頭を、たぶん5分以上。ダメな条件を自分から揃えていたようなものです。
やるなら、お風呂で泡を使うといいらしい
やり方についても、実用的なコツがありました。
おすすめのタイミングは入浴時。湯船に浸かって体温が上がると血管が広がるので、少ない力でも効果が出やすい、と。
そして、これがうまいなと思ったんですけど。シャンプー中に、泡をクッションにして行うといい(洗い方の手順をまとめた記録)、と書かれていました。
泡があると摩擦が大幅に軽減されるので、地肌を傷つけるリスクを最小限にできる。指の滑りもよくなる、と。
たしかに。乾いた頭皮を直接ゴシゴシやるより、はるかに優しいはずで。
ただし、シャンプー中は洗うのが主目的なので、時間をかけすぎない。「洗う動作の延長」くらいに留めるのがポイント、とも。
当時の僕は、寝る前に乾いた頭を本気で揉んでました。そりゃ負担も大きいわけです。
やめたことに、後悔はない
で、今の僕はどうかというと。マッサージは、やってません。
理由は最初に書いたとおりで、抜け毛を見るのがしんどいから。それに尽きます。
やり方を工夫すれば続けられたかもしれません。泡の中で、3分だけ、優しく。それなら抜け毛も減ったかも。
でも、僕にとっては「毎日、自分の抜け毛を確認する時間」になってしまっていた。その精神的なマイナスのほうが、血行のプラスより大きかった。
効果が補助的なものなら、なおさら。しんどい思いをしてまで続けるものではないなと。
やめたことに、後悔はないです。むしろ、あの憂うつな時間がなくなって、ずいぶん気がラクになりました。
「何かしたい」気持ちとの付き合い方
振り返って思うのは、あのとき僕が求めていたのは、効果じゃなくて「何かしている感」だったなということ。
薬を飲むだけだと、受け身な感じがする。だから、自分の手で何かしたかった。
その気持ち自体は、悪くないと思います。ただ、それが自分を苦しめる形になるなら、別のやり方に変えたほうがいい。
今の僕は、「何かしたい」気持ちを、写真の記録や生活習慣のほうに向けています。月1で頭を撮る。食事を気にする。ちゃんと乾かす。どれも抜け毛を突きつけてこないので、精神的にラクです。
同じ「自分でやること」でも、続けやすいものとそうでないものがある。自分に合うほうを選べばいいんだなと。
マッサージを考えてる人へ
もし今、頭皮マッサージをやろうか迷っている人がいたら。
やってみるのはアリだと思います。血行促進やリラックスの効果はありますし、薬の効きを助ける可能性もある。お金もかからない。
ただ、いくつか気をつけてほしいことがあります。
まず、力を入れすぎないこと。3分程度で十分で、長くやっても意味はない。ヒリヒリしたり赤みが出たりしたら、やりすぎのサインです。
次に、乾いた頭皮より、お風呂で泡をクッションにするほうが安全。
そして、これで生えるとは期待しないこと。あくまで土台づくりです。生やす・守るは薬の担当なので。
最後にもうひとつ。僕みたいに、抜け毛を見るのがつらいなら、無理に続けなくていいです。効果が補助的なものに、メンタルを削られる必要はないので。
やめる勇気も、ときには必要かなと。
髪そのものが気になっているなら、マッサージより先にやることがあります。そっちを試してみてください。
僕は今日も、マッサージはしません。でも、薬はちゃんと飲んでいます。
最後にひとつ。
薄毛対策って、やることを増やせば増やすほどいい気がしてしまいます。あれもこれも、全部やったほうが安心な気になる。
でも実際は、続かないものを抱え込むと、そのぶん消耗するだけでした。
やめる判断も、対策のうち。合わないものを手放して、続くものに絞る。そのほうが長い目で見るとうまくいく気がしています。
僕がここまで続けてこられたのも、たぶん無理なものを切ってきたからかなと。

