AGA治療を始めて、最初に「うわ、失敗した?」って思ったことがあります。
抜け毛が、むしろ増えたんです。
今日は、その初期脱毛の話を、あとで調べてわかった仕組みも含めて書きます。
始めた直後に抜け毛が増えた
治療を始めて少ししたら、排水溝の毛が明らかに増えました。枕にも落ちてる。手ぐしを通すと、指に絡む。
「え、逆効果じゃん」って本気で焦りました。
せっかく治そうとしているのに増えるって、心が折れそうになります。「お金払って薬飲んで、結果これかよ」と、ちょっと泣きそうでした(笑)
あの時期は毎朝が憂うつで、シャンプーするのが怖かった。頭を乾かすときにタオルでふくのも、ドライヤーをかけるのも嫌でした。
髪に触れる動作が、全部こわい。あの感覚は、経験した人にしかわからないかもしれません。
調べたら「初期脱毛」というものだった
不安で夜な夜な調べまくったら、これ「初期脱毛」という、わりと知られた現象みたいで。
薬の作用で毛根が動き出し、ヘアサイクルが切り替わるときに起きるものだそうです。休止期にあった古い毛が、成長期に入る新しい毛に押し出されて抜ける。
つまり、薬が効き始めているサインでもある、と。
「抜けてるけど、これは前に進んでる抜け方なんだ」と知って、ちょっとホッとしました。古い髪が場所を空けて、新しい髪に席を譲っているイメージですね。
もう少し詳しく調べたら、ヘアサイクルの仕組みがわかってきました。
髪には、成長期・退行期・休止期という3つの段階があるそうです。表にまとめておきます。
| 段階 | 期間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 成長期 | 3〜5年 | 髪が伸び続ける期間 |
| 退行期 | 2〜3週間 | 成長が止まり、毛根が縮む期間 |
| 休止期 | 数ヶ月 | 次の成長期に向けた準備期間 |
男性の場合、これで1サイクルが約3〜5年らしいです。けっこう長いスパンで回っているんですね。
で、AGAだとこのサイクルが乱れて、成長期が短くなってしまう。薬はそれを正常なリズムに戻す方向に働く。その切り替わりのタイミングで、休止期の毛がまとめて抜ける。
これが初期脱毛の正体、というわけです。そういうことか! と、やっと腑に落ちました。理屈がわかると、気持ちがだいぶ違います。
薬によって起こりやすさが違うらしい
これは知らなかったんですけど、初期脱毛は薬によって起こりやすさが違うそうです。
| 薬 | 初期脱毛の起こりやすさ |
|---|---|
| ミノキシジル(内服) | 起こりやすい。初めて処方する患者さんの3人に1人ほどに起こりうるという説明も |
| フィナステリド/デュタステリド | 稀で軽度なことがほとんど。添付文書にも記載なし |
起こりやすいのは、発毛を促すミノキシジルのほう。毛根に直接働きかけて、休止期の毛包を成長期へ移行させるので、抜け毛という形で変化が出やすい。
対してフィナステリドやデュタステリドは、ホルモンに働きかける薬で、ヘアサイクルへの影響が間接的でゆるやかだから、ということみたいです。
なるほど〜と。同じ「AGAの薬」でも、作用の仕方が違えば出方も違うんですね。
いつからいつまで続くのか
不安な時期にいちばん知りたいのが、これだと思います。終わりが見えないのが、いちばんきついので。
調べた範囲だと、始まるのは早ければ10日ほど、一般的には治療開始から2週間〜1ヶ月後。そして、3ヶ月程度で落ち着くことがほとんど、とされていました。
終わりがあるとわかるだけで、だいぶ気がラクになりました。「あと2ヶ月の辛抱だ」と思えたら、耐えられる。
ゴールの見えない不安が、いちばんしんどいんです。だから、期間の目安を知っておくのは、それだけで意味があると思います。
ちなみに、初期脱毛が終わるサインとしては、抜け毛の量や質が変わってくること、産毛が出てくることなどが挙げられていました。産毛が見えたら、次の段階に入っている証拠ということですね。
調べていて「あ、これやってたわ」と思ったことがあります。
不安になると、頭皮や髪を頻繁に触ってしまうんです。今日は多いかな、と確認したくなる。
でも、何度も触るのは頭皮にとってダメージになって、かえって抜け毛が増えることもあるらしいです。
確認したくなる気持ちはわかりすぎるほどわかるんですけど、触れば触るほど悪くなるという、なかなか意地悪な話で。
僕もシャンプーのたびに抜けた本数を数えそうになる自分がいて、ちょっと怖かったです。数えても何もいいことはないのに。
そして、いちばんやってはいけないのが、自己判断で薬をやめること。せっかく休止期から成長期へ整いかけていたサイクルが元に戻って、抜け毛が再発することもある、と書かれていました。
夜中の検索が、いちばん不安を増やした
あの時期にやっていて、いま思うと良くなかったなと思うことがあります。
夜中の検索です。
不安になると、スマホで「初期脱毛 いつまで」「AGA 抜け毛 増えた」みたいなワードを延々と調べてしまう。しかも夜中なので、余計に気持ちが沈む。
知識を得るのはいいことなんですけど、あれは知識を得ているというより、安心できる言葉を探して彷徨っている状態でした。
そして、ネットには不安をあおる情報も混ざっています。「やめたほうがいい」みたいな極端な意見も見つかる。そういうのを拾ってしまうと、余計にぐらつく。
今なら、あの時間を先生への質問1回に置き換えたほうが早かったな、と思います。1時間検索するより、5分聞いたほうが確実なので。
僕は月に1回、頭の写真を撮る習慣があります。
この習慣が、初期脱毛の時期にはけっこう効きました。
毎日鏡を見ていると、悪くなっている気ばかりするんです。抜け毛が増えている以上、どうしてもそう見える。
でも写真で前の月と比べると、思ったほど変わっていなかったりする。「気のせいの部分もあるな」と冷静になれる材料がある、というのは強いです。
不安なときって、頭の中で状況を実際より悪く描いてしまうので。事実を確認できる手段があると、そこにブレーキがかかる。
これから治療を始める人には、最初の1枚を撮っておくことをおすすめしたいです。あとから振り返ったときに、いちばん役に立つ1枚になるので。
もうひとつ、あの時期のしんどさとして。
初期脱毛って、人に相談しづらいんです。
そもそも治療していること自体を言っていない人が多いですし、言っていたとしても「治療始めたのに抜けてる」というのは、なんとなく口に出しづらい。
うまくいっていない報告みたいに感じてしまう。実際には順調な過程なのに。
だから、ひとりで抱え込んで、夜中に検索する。あの構図になりがちです。
今の僕なら、担当の美容師さんにでも普通に話すと思います。同じ悩みを持っている人なので。でも当時はそんな相手もいなくて、完全にひとりで耐えていました。
そういう意味でも、相談できる先を持っておくのは大事だなと思います。
僕の場合
僕も例にもれず抜けました。毎朝、枕を見るのが嫌でしたね(笑)
でも「ここでやめたら全部ムダになる」と思って続けたら、ちゃんと落ち着きました。気づいたら、抜け毛の量を気にしなくなっていて。
あの不安だった時期を抜けると、ほんとに静かになるんです。嵐が過ぎたあとみたいに。
あのとき焦ってやめなくてよかったな、と今でも思います。もしあそこでやめていたら、僕の長い治療生活そのものが始まっていませんでした。
ひとつ言っておきたいのが、この時期に焦るのは当たり前だということです。
「どっしり構えましょう」とよく言われますけど、目の前で自分の髪が抜けていくのに、冷静でいられる人はそういないと思います。僕も全然できていませんでした。
だから、焦る自分を責めなくていいです。それだけ真剣に向き合っている証拠なので。
大事なのは、焦った勢いで「やめる」という判断をしないこと。焦るのと、やめるのは別です。ビクビクしながらでいいから、飲み続ける。それだけでじゅうぶんかなと。
同じ時期で焦ってる人へ
今まさに「始めたのに抜ける」で不安な人。気持ち、めちゃくちゃわかります。あれは本当にメンタルにきます。期待していた分、裏切られた気がするので。
ただ、自己判断でやめる前に、一度先生に相談してほしいです。
初期脱毛なのか、別の原因なのか。素人には切り分けられません。僕も当時、自分では判断できませんでした。そこだけはプロに見てもらってほしいなと。
「これって初期脱毛の範囲ですか」と聞くだけでも、気持ちが全然違うはずです。ひとりで夜中に検索し続けるより、よっぽど早いので。
抜け毛が増えているのに「効いている証拠」と言われても、感情がついてこないのはよくわかります。それでも、あと少しだけ。その先に、静かな時期が待っています。

