薄毛の美容師さんが担当。この関係が終わるのが、地味にこわい

今の美容室に通いはじめて、けっこう経ちます。2ヶ月に1回のペースで、ずっと同じ人に切ってもらっている。

その担当さんが、薄毛の当事者なんです。

自分も治療していて、同じ悩みを抱えている。だから、鏡越しに薬の話ができる。

で、ときどき考えてしまうんです。この人がいなくなったら、僕はどうするんだろう、と。

目次

担当が変わるのは、そもそも好きじゃない

まず前提として、担当が変わること自体が苦手です。

美容室って、慣れるまでに時間がかかるので。こっちの好みを把握してもらって、こう言えばこうしてくれる、という関係ができるまでに、何回か通う必要がある。

それが一度リセットされると、また最初からです。

髪型の好み、クセの出方、伸びるスピード。そういうのを一から説明し直すの、単純に面倒くさい。

これは薄毛と関係なく、誰でもそうだと思います。美容室選びで失敗したと感じるケースとして「施術してくれるスタッフがコロコロ変わって嫌だった」というのが挙げられていました。まさにそれです。

でも、僕の場合はもう一段ある

ただ、僕の場合は、それだけじゃないんです。

薄毛のことを、また一から説明し直さないといけない。

これが、けっこう重い。

髪型の好みなら、写真を見せれば済みます。でも薄毛の話は、そういうわけにいかない。

どこが気になっているのか。どのくらい前から進んでいるのか。治療していること。薬を飲んでいること。それを踏まえてどうしてほしいのか。

言葉にすれば数分の話です。でも、その数分が、けっこうしんどい。

初対面の人に自分の一番気にしていることを打ち明ける。あれは、何度やっても慣れないと思います。

以前の記事にも書きましたけど、僕は長いこと「すかないでください」しか言えませんでした。薄毛のことを話せるようになるまで、何年もかかっている。

それをまた、ゼロからやり直す。想像すると、ちょっと憂うつになります。

一番惜しいのは、当事者じゃなくなること

そして、これが今回いちばん書きたかったところで。

説明のしんどさより、もっと惜しいことがあります。

担当さんが薄毛の当事者じゃなくなる、ということです。

今の担当さんとは、散髪中に薬の話ができます。「デュタどうですか」「僕もそれ飲んでます」みたいな会話が、鏡越しに普通に成立する。

副作用の話も、費用の話も、遠慮なくできる。同じ立場だから、説明する手間がいらない。これがけっこう大きいんです。

これ、他ではなかなかできない会話なんです。

友人には言えない。親族にも言わない。家族とは話せるけど、当事者じゃないので温度が違う。

唯一、対等に髪の話ができる相手が、あの美容室の椅子の上にいる。

その関係が失われるのが、一番惜しいなと思います。

薄毛のスタイリスト、なかなかいない

で、あらためて思うんですけど。

薄毛のスタイリストで、担当してくれる人って、なかなかいないと思うんです。

美容師さんって、髪を扱う仕事なので、自分の髪型にも気をつかっている人が多い。若い人も多いですし。

そもそも母数として少ないんだと思います。だから、当事者の担当さんに当たったこと自体が、けっこうな幸運だったんじゃないかと。

もし今の人がいなくなったら、次に同じような人に出会える確率は、たぶん低い。

そう考えると、今の関係の貴重さが、あらためてわかります。

資格を持ってる人もいるらしい

ただ、調べてみたら、別の道もあることを知りました。

毛髪診断士という資格があるそうです。公益社団法人 日本毛髪科学協会が認定するもので、毛髪や頭皮に関する知識を持った人に与えられる資格。

役割としては、毛髪や皮膚に関する相談を受けて、正しい知識をもとにアドバイスをすること。育毛につながる食事や生活習慣の指導、マイクロスコープを使った頭皮の観察なども行うそうです。

会員の多くは美容師、理容師、薬剤師、医療従事者。つまり、美容師さんが取得しているケースもある。

ちなみに、認定資格を持っている人は現在約2,400名だそうです。全国の美容師の数を考えると、かなり少ない。

ただ、医療行為はできないので、治療が必要と判断した場合は専門医への受診を勧める立場になる、とも書かれていました。役割の線引きが、はっきりしているんですね。

当事者か、資格か

これを知って、ちょっと考えました。

自分が求めているのは、どっちなんだろうと。

毛髪診断士の資格を持っている人なら、知識としては確かです。頭皮の状態を見てもらえるし、根拠のあるアドバイスももらえる。

でも、僕が今の担当さんに感じている良さは、たぶん知識の量じゃないんです。

「わかってくれる」という感覚のほうです。

薄毛の人間が椅子に座ったときの、あの居心地の悪さ。濡れた髪を明るい照明で見せられる気まずさ。合わせ鏡で後頭部を見せられる瞬間。

そういうのを、説明しなくても察してもらえる。それが大きい。

知識は、あとから学べます。でも、当事者の感覚は学んで身につくものじゃない。

そう考えると、やっぱり今の関係は代えがたいなと思います。

それでも、いつかは来る話

とはいえ、永遠に続くものでもありません。

美容師さんは、異動もあれば独立もある。辞めることだってある。こっちが引っ越す可能性もあります。

だから、いつかその日は来るんだろうなと。

そのときにどうするか、まだ答えは出ていません。

ただ、ひとつ言えるのは、以前の僕よりはマシな状態になっているということです。

昔の僕なら、薄毛の話を切り出すこと自体が無理でした。だから何年も「すかないでください」だけで通していた。

今は、初対面でも言えます。「薄毛が気になってて、治療もしてます」と。あの一言を言えるようになったのは、けっこう大きい変化です。

説明する手間はかかる。でも、説明できる。それだけで、だいぶ違います。

同じ状況の人へ

もし今、担当の美容師さんに薄毛のことを話せている人がいたら。

その関係は、けっこう貴重なものだと思います。当たり前に感じているかもしれませんけど、たぶん当たり前じゃない。

だから、大事にしたほうがいいなと。

そして、まだ話せていない人がいたら。ひとことだけでも伝えてみてほしいなと思います。「薄毛が気になってて」だけでいいので。

それを言えるかどうかで、その後の関係がまるで変わります。僕はそれで、憂うつだった美容室が、髪の話をしに行く場所に変わりました。

相手が当事者じゃなくても大丈夫です。プロなので、伝えれば考えてくれます。毛髪診断士の資格を持っている人なら、なお心強いかもしれません。

大事なのは、こっちが情報を出すこと。それだけです。

今の担当さんには、まだしばらくお世話になるつもりです。次に会うときも、たぶん薬の話をするんだろうなと。

その時間が、地味に楽しみだったりします。

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この記事を書いた人

40代。18年以上薄毛と長年つきあってる実践者。20代後半でM字が徐々に来た。薄毛家系なので予防中。「髪にいい」と聞いたら薬もサプリも生活も試してきました(笑)その記録をできるだけ残してます。同じ悩みの誰かに、ちょっとでも届けば。髪のこと、まだ諦めなくていい。早ければ早い方がいいです。

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