母方はフサフサ、父方は薄毛。うちの家系を見て思うこと

お盆になると、父方の親族が集まります。

何年かに一度、まとまった人数が顔をそろえる。そういう場です。

で、そこで毎回思うことがあって。

うちの父方は、薄毛の家系なんです。

今年もその時期が近いので、ちょっと振り返ってみます。

目次

父方は薄毛、母方はフサフサ多め

まず、うちの家系の状況から書いておきます。

父方は、薄毛の人が何人かいます。ただ、全員がそうというわけではありません。フサフサの人もちゃんといます。「一族みんな薄い」みたいな極端な話ではなくて、割合として多いという感じです。

一方、母方はフサフサが多め。ひとりだけ薄い人がいますけど、それくらいです。父方と比べると、あきらかに少ない。

で、僕はというと、父方の傾向をしっかり受け継いだ側でした。

悪気があって見てるわけじゃないんです。

でも、親族が何人か並ぶと、自然と目に入ってしまう。

若い頃はまったく気にしてませんでした。ただの親戚のおじさんたち、という認識で。

それが、自分の髪が気になりだしてからは、見え方が変わりました。

「あ、うちってこういう家系なんだ」と。

たぶん、20代の頃から同じ光景はあったはずなんです。ただ、見えていなかった。自分に関係のあることだと思っていなかったので。

関心を持った瞬間から、同じ景色がまったく違うものに見える。あれは、ちょっと不思議な体験でした。

血のつながりって、こういうところに出るんだなと思います。顔立ちが似てるとか、体型が似てるとか、そういうのと同じ並びで、髪の傾向も引き継がれている。

「予防しないとな」と思う

その光景を見て、僕が思うのはこれです。

予防しないとな、と。

自虐でも、悲観でもありません。もっと実務的な感覚です。

自分がどういう体質を持っているのか。これから何が起こりうるのか。それを目の前で見せられている感じなんです。

病院の資料を読むより、よっぽど生々しい。血縁者の頭というのは、自分の未来予想図みたいなものなので。

もちろん、必ずそうなるわけではありません。同じ家系でも、まったく影響が出ていない人もいる。遺伝的な要素があっても、出方には個人差がある。

それでも、確率の話として自分は不利な側にいるんだろうな、とは思います。だから手を打っておく。それだけの話です。

毎日薬を飲んでいると、だんだん何のためにやってるのか、実感が薄れてくる瞬間があります。習慣になりすぎて、ただの作業になる。

そういうときに、ああいう場でリセットがかかる感じです。「これを避けたくてやってるんだった」と、目的を思い出させてくれる。

ただ、薄毛が悪いわけじゃない

ここは、はっきり書いておきたいところです。

僕が「予防しないとな」と思うのは、薄毛が悪いことだと思っているからではありません。

親族を見て「ああはなりたくない」と考えているわけでもない。そこは、誤解されたくないところです。

薄毛は、体質です。生まれ持ったものであって、努力不足でも、恥ずべきことでもない。髪が薄い人が劣っているなんてことは、まったくありません。

実際、うちの親族は、薄い人もそうでない人も、みんな普通に働いて、家庭を持って、それぞれの人生を送っています。髪の量とその人の価値は、何の関係もない。当たり前の話です。

じゃあ僕は何をしているのかというと、単純に「自分がそうなったときに嫌だと感じるから、手を打っている」というだけなんです。

これは完全に僕個人の好みの問題です。髪があるほうが自分は落ち着く。それだけ。

同じ状況で「気にしない」と決める人もいます。そっちのほうが、むしろ健全かもしれません。悩まずに済むぶん、人生の余白が広い。

どっちが正しいという話ではないんです。僕はたまたま気になるタイプで、だから対処している。それ以上でも以下でもありません。

調べたら、父方も関係あった

以前、遺伝について調べたことがあります。そのときは「母方の影響が大きい」という話が中心でした(以前調べた別記事に書きました)。

ただ今回あらためて調べたら、父方も無関係ではないことがわかりました。

AGAの発症に関わる遺伝的な要素は、大きく2つあるそうです。表にまとめておきます。

遺伝子由来遺伝のしかた
アンドロゲン受容体(男性ホルモン受容体)の感受性X染色体上男性は母親からのみ受け継ぐ
5αリダクターゼ(DHTを作る酵素)の活性度常染色体上父親からも母親からも受け継ぐ可能性がある

ひとつが、アンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)の感受性。これはX染色体上にあるので、男性の場合は母方から受け継ぐことになります。だから「母方を見ろ」とよく言われるわけです。

もうひとつが、5αリダクターゼという酵素の活性度。テストステロンをDHTに変換する酵素ですね。

そして、こっちの遺伝子は性染色体ではなく常染色体にあるそうです。つまり、父親からも遺伝する。

しかも、この5αリダクターゼの活性は優性遺伝すると言われている。両親のどちらか一方が活性の高い遺伝子を持っていれば、子どもにも引き継がれやすい、と。

なるほど。だから父方の家系を見て「やばいな」と感じるのは、感覚的な思い込みではなかったわけです。

「母方だけ見ればいい」ではなかった

これ、けっこう誤解されてる部分だと思います。

「薄毛は母方の遺伝」という話は有名で、僕もそう聞いて育ちました。母方の祖父を見れば自分の将来がわかる、みたいな言い方もよくされます。

「母方の祖父が薄毛だと発症確率75%、祖父と曽祖父ともに薄毛だと90%」という数字も、調べている過程で何度も見かけました。

ただ、これは扱いに気をつけたほうがいい数字でした。載せているサイトはどこも「〜と言われています」止まりで元の研究にたどり着けず、90%は定義もバラバラ。なので、この75%・90%は使わないことにしました。

代わりに根拠を追える数字を探したら、双子研究がありました。2003年、オーストラリアで一卵性476組・二卵性408組の双子を調べた研究で、AGAの「遺伝率」は約80%。70歳以上のデンマークの双子研究でも近い数字です。どちらも海外の研究なので、日本人には当てはめすぎないほうがいいと思います。

大事なのは「遺伝率」の意味です。「家族に薄毛の人がいたら80%の確率で自分もなる」ではなく、「AGAのなりやすさに出る個人差のうち、8割ほどが遺伝で説明できる」という統計上の指標だそうです。似ているようで、まったく別の数字でした。僕も最初は勘違いしていました。

ただ、それは受容体の感受性の話であって、酵素の活性のほうは別ルートで父方からも来る。

つまり、母方も父方も、どっちも見ておいたほうがいいということになります。片方だけ見て安心するのは、ちょっと早い。

うちがまさにそのパターンでした。母方はフサフサ多めなので、通説だけを信じていたら「うちは大丈夫だな」と思っていたはずです。

でも、実際には父方の傾向がしっかり出た。母方だけ見て安心していたら、対応が遅れていたかもしれません。

遺伝の話は、片方だけ見ても答えが出ない。うちは、そのわかりやすい例だなと思っています。

それでも、こちらからは言わない

ここが、この記事で一番書きたかったところかもしれません。

親族が集まる場で、僕から髪の話を振ることは、基本的にありません。

自分が治療していることも、こちらから積極的には言わない。聞かれたら答えますけど、自分からは切り出さない。

理由は単純で、それは相手が決めることだからです。

薄毛をどうするかは、その人の選択です。気にしない人もいれば、気にしてるけど言えない人もいる。そこに土足で踏み込む権利は、こっちにはありません。

「治療したら」なんて言われて素直に喜ぶ人は、たぶん少ないと思うんです。僕自身、悩んでた時期にそう言われてたら、たぶん反発してました。「わかってるよ」と。

だから、言わない。ただ、聞かれたら全部話す。この距離感を守っています。

それに、こっちが治療してることを知ってる親族もいます。でも、向こうから聞かれることは、ほとんどありません。

たぶん、聞きにくいんだと思います。聞いた瞬間、自分が気にしてることになるので。あの感覚は、僕にもよくわかります。

だから、待ちます。そのうち聞かれるかもしれないし、一生聞かれないかもしれない。それはそれでいい。

年齢が近い親族とは、少しだけ話した

とはいえ、例外もあります。

年齢が近い親族とは、健康の話の流れで少しだけ話したことがあります。

40代になると、集まりの話題が変わってきます。健康診断の数値がどうとか、血圧がどうとか、そういう話が普通に出てくる。

その流れで、髪の話も自然に混ざる瞬間があります。深刻な相談じゃなくて、体の不調の一種として。

そういうときは、普通に話します。「僕は薬飲んでるよ」と。

深刻に切り出すんじゃなくて、健康の話題のひとつとして出す。そうすると、相手も構えずに聞ける気がします。

血圧の薬を飲んでる人が「俺、血圧の薬飲んでてさ」と言うのと、同じテンションで。あれくらいがちょうどいいのかなと。

実際、AGAの薬もちゃんとした医薬品です。献血に制限がかかるくらい、体に作用するものなので。特別扱いする必要はないし、隠すようなものでもない。

そう思えるようになるまで、僕もずいぶん時間がかかりましたけど。

家系を見て、不安になった人へ

もし、親族の集まりで似たようなことを感じた人がいたら。

その不安は、根拠のないものではありません。5αリダクターゼの活性は父方からも遺伝しますし、受容体の感受性は母方から来る。どちらの家系も、無関係ではないので。

うちみたいに、母方は少ないのに父方が濃いというパターンもあります。逆もあるはずです。片方だけ見て判断しないほうがいいなと思います。

ただ、遺伝がわかったところで、それ自体は変えられません。変えられるのは、そのあとの行動だけです。食事を見直した話禁煙の話は、それぞれ別記事にもう少し詳しく書きました。

そして、AGAは進行性なので、早く手を打つほど守れるものが多くなります。「家系的にやばいかも」と気づいた今が、一番早いタイミングです。

気になるなら、遺伝子検査という手もあるようです。5αリダクターゼの活性や受容体の感受性、薬の効きやすさまで調べられる。頬の内側を綿棒でこするだけで済むそうです。

ただ、僕自身は受けたことがありません。長年やってきて、自分がAGA体質なのは結果でわかってるので。これから始める人や、家系が気になる人には、判断材料としてアリかもしれません。

そして、これも書いておきます。動かないという選択も、まったく悪くありません。

薄毛を受け入れて、そのまま生きていく人はたくさんいます。うちの親族にもいます。それは諦めでも敗北でもなくて、ひとつの選び方です。

僕は気になるから治療する。気にならないなら、しなくていい。

大事なのは、知らないまま流されることを避けることだけかなと。知ったうえで選んだなら、どっちを選んでも正解だと思っています。

今年もお盆がやってきます。僕はまた、親族の顔を見て、静かに「続けよう」と思うんだろうなと。

誰にも言わず、自分の中でだけ確認する。そういう場でもあるので。

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この記事を書いた人

40代。18年以上薄毛と長年つきあってる実践者。20代後半でM字が徐々に来た。薄毛家系なので予防中。「髪にいい」と聞いたら薬もサプリも生活も試してきました(笑)その記録をできるだけ残してます。同じ悩みの誰かに、ちょっとでも届けば。髪のこと、まだ諦めなくていい。早ければ早い方がいいです。

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