AGA治療をしてること、人に言うか言わないか。
これ、地味に悩むポイントだと思います。隠しておきたい人もいれば、オープンな人もいる。
僕はというと、今は自分から言ってます。しかも、わりと笑い話みたいに。
でも、最初に言っておきたいことがあって。
僕が笑い話にできるのは、さんざん本気で悩んだあとだからです。薄毛って、本人にとっては全然笑い事じゃない。そこを履き違えたくないんです。
薄毛は、本気でしんどい
まず、ここをちゃんと書いておきたくて。
薄毛の悩みって、他人からすると「気にしすぎ」「そんなの些細なこと」に見えるかもしれません。でも、本人にとっては全然そうじゃない。
毎朝、鏡を見るのが憂うつ。抜け毛を見て心臓がぎゅっとなる。写真の角度を気にして、人の視線を勝手に想像して、一日に何度も落ち込む。
これ、経験してない人には、たぶん伝わりません。「髪くらいで大げさな」って。でも、当事者にとっては、毎日の心を静かに削ってくる、本気でしんどい悩みなんです。
僕も、長いことそっち側にいました。だから、今から書く「笑い話にしてる」という話も、悩みを軽く見てるわけじゃない。むしろ逆で、本気で悩んだ人間だからこそ、たどり着いた付き合い方なんです。
ここは、最初に伝えておきたかった。
昔は、必死に隠してた
始めた頃は、隠してました。
AGA治療してるなんて、なんか恥ずかしい。「そこまでして髪にこだわってる」と思われたくない。そんな気持ちがあったんです。
薬が届く日も、ちょっと気になってました。家族に見られたらどう説明しよう、とか。置き場所も、なんとなく目立たないところに。
でも、これがけっこうストレスで。
隠すって、地味に気をつかいます。話題が髪のことに寄ったら、さっと話をそらす。薬のことは触れられないようにする。バレないように、常にちょっと身構えてる。
この頃は、笑い話にするなんて、とてもじゃないけど無理でした。だって、自分の中で全然消化できてないので。触れられたくない、隠したい、それで精一杯。
守ってるつもりが、じわじわ消耗してた時期でした。
笑えるようになるまでには、時間がかかった
じゃあ、なんで今は笑い話にできるのか。
答えはシンプルで、時間をかけて、悩みと向き合ったからです。
治療を続けて、少しずつ自分の頭に納得できるようになった。生活も変えて、髪型も工夫して、記録も残して。そうやって手を打ち続けているうちに、「まあ、これはこれでいいか」と思えるようになってきた。
順番があるんだと思います。悩む、向き合う、手を打つ、落ち着く。そこまで来て、やっと笑える。
バレても平気になったのも、同じ順番でした(バレても平気になった記録)。
だから、今しんどい人に「笑い飛ばそうよ」なんて言うつもりはまったくないです。無理なので。あの時期の僕に同じことを言っても、たぶん腹が立っただけだと思います。
笑えるのは、通過したあとの話。まだ通過中の人に、それを求めるのは違うなと。
調べたら、けっこうな数がいた
自分から言うようになって気づいたことがあります。
話してみると、意外と「実は俺も」という反応が返ってきます。
気になって調べたら、数字でも裏づけがありました。日本皮膚科学会のガイドラインによると、AGAの発症率は20代で約10%、30代で約20%、40代で約30%、50代で約40%。年代とともに上がっていく、と。
そして、日本人男性にとってかなりありふれた話だ、とも言われている。
40代で3割。周りに3人いれば、1人はそうという計算です。
つまり、これはまったく珍しい話じゃない。ただ、みんな言わないだけ。それだけの話でした。
隠している人が多いから「自分だけ」に見える。でも実際は、けっこうな人数が同じ悩みを抱えている。この事実を知ってから、話すことへの抵抗がぐっと減りました。
今は、自分から言ってる
今の僕は、髪の話になったら、自分から「治療してるんです」と言います。
「これ、飲んでるおかげなんですよ」とか「ミノキのせいで鼻毛がすごくて」とか。そういう軽い感じで。ミノキシジルは内服のほうで、国内では未承認です。
そうすると、相手も構えずに聞いてくれます。深刻に切り出すより、雑談として出したほうが、場の空気がやわらかい。
それに、そのほうが相手も質問しやすいみたいで。「いくらするの?」「どれくらいで効くの?」と、けっこう食いつかれます。実は気になってた、という人が多いんだと思います。
隠していた頃は、髪の話題が地雷でした。今は、ただの雑談のネタです。同じ話題なのに、こんなに違うのかと思います。
病院でも同じで、飲んでいる薬は必ず申告しています(病院で薬を申告している記録)。
人に言うようになった話をしましたけど、最初のハードルは家族でした(妻に薄毛をどう思うか聞いた記録)。
一番近いのに、一番言いにくい。変な話ですけど、そういうものだと思います。
薬が届く、飲んでいる、通っている。全部見えているのに、正面から話したことはなかった。なんとなく察してもらって、なんとなく触れられない。そういう状態が長く続きました。
それが変わったのは、僕のほうが平気になってからです。こっちが普通に話すようになったら、向こうも普通に返してくれるようになった。
今では「今日すごいね」と抜け毛を指摘されるくらいの関係です(笑)。ありがたいような、こわいような。
でも、隠していた頃より、ずっと気がラクです。家の中で身構えなくていいのは、思っていた以上に大きい変化でした。
「笑ってる人」に見えるかもしれないけど
ただ、ここは強調しておきたくて。
今の僕を見て「この人は軽く考えてる」と思われたら、それはちょっと違います。
笑えるようになったのは、悩みが浅かったからじゃない。むしろ深かったからです。深く悩んで、時間をかけて、やっとここまで来た。
だから、同じ悩みを持つ人に対して「気にしすぎだよ」なんて絶対に言いません。その気持ちのしんどさを、身をもって知ってるので。
このブログを書いているのも、そこが理由です。軽く扱いたいわけじゃなくて、同じところで立ち止まっている人に「先に通った人間がここにいますよ」と伝えたい。
笑い話にできるのは、ゴールに近いところにいる人の特権みたいなもので。まだ道の途中の人に、それを押しつけるつもりはありません。
言うか言わないかは、自由でいい
最後に、これも書いておきます。
「オープンにしたほうがいい」と言うつもりはないです。
仕事の関係とか、人間関係とか、言いたくない事情は人それぞれあるので。隠したい人は隠していい。それで何の問題もありません。
実際、調べた調査では、多くの人が「治療していることを身近な人に知られたくない」と答えていました。隠したいほうが多数派なんです。
大事なのは、言うか言わないかじゃなくて、隠すことに消耗しすぎないこと。
僕の場合は、言ってしまったほうがラクだった。それだけの話です。もし隠すことがストレスになっているなら、ひとりだけでも話せる相手を作ると、だいぶ違うと思います。
今、隠すのに疲れてる人へ
もし今、必死に隠していて、それがしんどい人がいたら。
まず、そのしんどさは本物です。気のせいでも、大げさでもない。隠すのって、本当に消耗します。
そして、いつか平気になる日が来ます。ただし、それは「気にしないようにする」ことでは来ません。向き合って、手を打って、落ち着いた先に来ます。
順番を飛ばそうとしても無理でした。僕も何度か試して、全部失敗しています。
だから、無理に笑おうとしなくていい。まずは、言える相手がひとりいれば十分だと思います。
自分の頭が今どういう状態なのか、確認するだけでも変わります。誰にも会わずに始めることもできます。
薄毛は、笑い事じゃありません。本気でしんどい。
でも、本気で向き合った先に、笑える日はちゃんと来ます。僕がそうだったので、そこだけは信じてもらえたらと思います。

