ジムに8年通った僕が、髪のためにやってた涙ぐましい工夫

「筋トレするとハゲる」

これ、聞いたことないですか。僕はあります。ジムに通いはじめる直前くらいに。

けっこう気になりました。体を鍛えようとしてるのに、それで髪が減るなら意味がない。

それでも8年通いました。今日は、その8年間で僕が何を考えてたかの話です。

目次

8年間、2日に1回通ってた

当時のメニューから書きます。

2日に1回ジムへ。ランニングマシン1時間、筋トレ1時間、そのあと水泳30分。

これを8年。今はもう通ってませんけど、当時はけっこう本気でした。

体は変わりました。10キロ以上落ちたのも、この時期。体力もついたし、健診の数値も良くなった。

やってよかったです。ただ、あの8年間、頭の中は運動のことだけじゃなかった。

髪のことを、ずっと考えてました。

ジムに行く前に、まずセットしてた

たぶん共感してもらえる話をします。

ジムに行くとき、僕は必ずワックスをつけてから行ってました。

マットなハードワックス。地肌が透けないよう、しっかり立ち上げて、固めて。運動しに行くだけなのに、髪だけフルセット。

なんでかって、ジムは明るいので。

照明が真上から落ちてくる。しかも鏡だらけ。マシンの前にも、ウェイトのエリアにも、全面に鏡。上から照らされた自分の頭が、あらゆる角度で映る。

薄毛を気にしてる人間には、なかなかの環境です。

だから家でセットして、ジムに着いたらまたトイレに寄る。鏡の前で確認して、崩れてたら直す。

これから運動するのに、まず髪を整えてる。冷静に見ると、なかなかの絵面ですね(笑)。恥ずかしいけど、当時は必死でした。

で、運動を始める。

当然、汗をかきます。1時間走れば頭からも出る。

そうすると、さっき固めた髪がじわじわ崩れてくる。ワックスが汗で溶けて、髪が下りてきて、地肌が見えてくる。

鏡だらけなので、それが自分でも見える。

「あ、来たな」と。せっかく整えたのに、動けば動くほど崩れる。当たり前なんですけど、あれはしんどかった。

周りには人もいます。マシンで隣に並んだり、後ろを通られたり。上から見られる角度なんて、いくらでもある。

なので汗が出はじめたら、無意識にタオルを頭にかけてました。拭くふりをしながら、実際は隠してる。

運動に集中したいのに、頭を気にしてる。あの二重作業、地味に疲れます。

だから、最後に水泳を入れてた

そこで編み出したのが、この順番です。

ランニング、筋トレ、最後に水泳。

体力的な理由じゃありません。髪の理由です。

汗でぐしゃぐしゃになったあと、そのまま帰るのは無理でした。中途半端に濡れてペタッとしてる状態が、一番みっともなく見えるので。

でもプールに入れば、話が変わる。

だってプールで濡れてない人、いないので。全員びしょ濡れ。そこでは濡れた髪が、まったく不自然じゃない。

汗で濡れてるとみっともない。プールで濡れてるなら当たり前。同じ濡れた髪でも、場所が変われば意味が変わる。

だから汗をかききったあとに水泳を入れて、「濡れてて当然」に持ち込んでました。

書いてて思いましたけど、すごい戦略ですね(笑)。運動メニューが、髪の都合で組まれてた。

そして仕上げがこれ。

プールから上がったら、シャワーを浴びてサウナへ。

乾かすためです。

濡れたまま帰ると、外で風に当たった瞬間にペタンとなる。それが嫌で、サウナで水分を飛ばしてから帰ってました。

サウナハットをかぶって、じっくり温まる。出る頃には髪もだいぶ乾いてる。あとはドライヤーで仕上げれば、それなりの状態で外に出られる。

セットして行って、汗で崩して、プールで正当化して、サウナで乾かして帰る。

改めて並べると、なかなかの導線です。ジムに行くだけで、これだけの工程。

運動より、その前後のほうが頭を使ってたかもしれません。

で、筋トレはハゲるのか

本題です。

あれだけ通いながら、「筋トレするとハゲる」はずっと引っかかってました。

今回ちゃんと調べたので書きます。

まず噂の出どころ。AGAの原因物質はDHTという男性ホルモンで、これはテストステロンから作られる。

そして筋トレをすると、テストステロンが増える。ここは事実。

だからこうつながる。筋トレする、テストステロンが増える、DHTが増える、ハゲる。

うわ〜、たしかに通ってる気がする!

この連想が噂の根源だと考えられている、と書いてありました。理屈がきれいなので、そりゃ広まるよなと。

で、調べた結論は、けっこうはっきりしてました。

一般的な筋トレでAGAが進行する医学的な根拠は、今のところない。運動は基本的にAGAの直接原因にはならない、と。

なんでかって、さっきの連想が一段飛んでるからで。

筋トレでテストステロンは増えます。でも、それでDHTの量が直接増えるという証拠は見つかりませんでした。DHTを作る酵素の5αリダクターゼを、筋トレが増やすという直接的な研究も見当たらなかったです。

材料が増えても、加工する工場の能力は変わらない。なるほど〜、と。

工場のキャパが決まってるなら、材料を積んでも製品は増えない。この説明で、やっと腑に落ちました。

8年ずっと気にしてたのに、気にする必要が薄かったという。もっと早く調べればよかった。

効いてくるのは、体質のほうだった

じゃあ何が効くのか。体質と遺伝でした。

関わるのは、5αリダクターゼの分泌量と、男性ホルモン受容体の感度。この2つ。

テストステロンが多くても、5αリダクターゼが少なければDHTに変わりにくい。DHTが増えても、受容体の感度が低ければ脱毛のシグナルは出にくい。

逆に、この2つがそろってる人は、そもそもAGAになりやすい。筋トレしようがしまいが。

「筋トレしたからハゲた」じゃなくて「もともとそういう体質だった」。順番が逆でした。

そう考えると、「筋トレしてる人にハゲが多い気がする」も、たぶん逆ですね。

筋トレしてる人は短髪が多いので、地肌が見えやすいだけかもしれない。あるいは薄くなったから短くした人が、たまたま筋トレもしてるだけかも。

見た目の印象って、あてになりません。僕もジムで勝手に統計を取ろうとしたことがありますけど、当然なにもわかりませんでした(笑)

例外と、注意点はある

とはいえ、全員に当てはまるわけでもないみたいで。ここは正確に書きます。

アンドロゲン受容体の感受性が特に高い体質の人は、わずかなDHTの上昇でも症状が加速する可能性がある、と。

大多数には関係なくても、一部の人には影響しうる。そういうことですね。

この感受性は、AGAの遺伝子検査で調べられるそうです。僕は受けたことがありません。長年やってきて自分の体質は結果でわかってるので、今さら調べる理由がなくて。

これから始める人や、家系が気になる人には、材料としてアリかもしれません。

もうひとつ。こっちのほうが実用的です。

やりすぎの筋トレは、別の理由で髪に不利になりうる、と。

筋線維が広範囲に傷つくと、修復に大量のタンパク質が使われる。すると、髪に回るはずのタンパク質が減って、栄養不足になる可能性がある。

これ、ダイエットの記事でも同じところに行き着きました。体は生命維持を優先するので、髪は後回しにされる。

ホルモンじゃなくて、材料の奪い合いの問題だったわけです。

「筋トレ=ハゲる」じゃなく「過剰な筋トレ+不適切なケア」が問題だ、という書き方もありました。やること自体じゃなく、やりすぎと栄養不足がまずい。

頭皮マッサージのときと同じ構図ですね。あれも「やりすぎは逆効果、3分で十分」でした。髪まわり、こういうパターンが多い気がします。

ついでに「プロテインを飲むと抜け毛が増える」も調べました。こっちは仮説どまりで、直接の医学的根拠は見当たりませんでした。

クレアチンのほうは、ちょっと事情が違いました。2009年に南アフリカで行われた研究で、ラグビー選手にクレアチンを飲ませたら、DHTの数値が一時的に上がった、というデータが出てるんです。

ただ、これ1件だけなんです。その後、同じ結果を再現した研究が見当たらなくて。2021年のレビュー論文でも「クレアチンが抜け毛を引き起こすという証拠は不十分」とまとめられていました。

なので正確に言うと、「クレアチンでDHTが上がった実験が1つだけある。でも再現はされてないし、実際に抜け毛が増えたという証拠もない」という状態みたいです。都市伝説というより、たった1つの研究が独り歩きしてる感じでした。

むしろプロテインはタンパク質なので、髪の材料としては味方のはず。材料が増えるのは、悪い話じゃありません。

ここまでの噂を表にまとめました。

根拠
筋トレでテストステロンが増える事実(一時的に増える)
それがDHTを増やしAGAを進める一段飛躍がある(テストステロン増加→DHT増加の直接証拠は乏しい)
プロテインで抜け毛が増える根拠なし
クレアチンで抜け毛が増える2009年の1研究でDHT上昇の報告あり。ただし再現されず、抜け毛との関連の証拠は不十分

8年通って、髪はどうだったか

僕の実感です。

あの8年で、髪が急に悪化したことはありませんでした。治療も並行してたので切り分けはできませんけど、「筋トレのせいで進んだ」と感じたことはないです。

むしろ良かったことのほうが多かった。

10キロ以上痩せて、体調が良くなった。血行も良くなったはずで、髪にプラスに働いた可能性はあります。断言はできませんけど。

寝つきも良くなりました。睡眠の記事でも書いたとおり、深い眠りは成長ホルモンに関わるので、そこも間接的にはプラスかなと。

あと、効果とは別の話で。

運動してる時間は、髪のことを考えなくて済むんです。

薄毛でモヤモヤしてる時期って、頭の中がずっとそれで埋まってる。でも走ってる最中は、しんどくてそれどころじゃない。あの強制的な思考停止、けっこうありがたかった。

髪への効果はわからなくても、気持ちが軽くなるだけで価値はあったなと。

筋トレを我慢してる人へ

「ハゲるかもしれないから筋トレを控えよう」と思ってる人へ。

その心配、たぶんいりません。一般的な筋トレでAGAが進行する医学的根拠は、今のところないので。

むしろ髪を気にして運動をやめるほうが損です。せっかくの習慣を、根拠のない噂で手放すのはもったいない。

気をつけるとしたら、やりすぎないことと、タンパク質を切らさないこと。ハードにやるなら、材料も足しておく。それだけ。

ジムでの見た目が気になるなら、僕みたいに工夫すればいい。ワックスで固める、タオルを使う、最後に水泳、サウナで乾かす。

涙ぐましいですけど、あれで8年通えたので、無駄ではなかったなと。

ただ、これも書いておきます。運動でAGAは止まりません。原因が別なので。

筋トレをやめても続けても、進行そのものは変わらない。なら好きなほうをやればいい。

本気で薄毛をどうにかしたいなら、運動を我慢するより原因に手を打つほうが早いです。

噂を気にして好きなことをやめるのが、一番もったいないパターンだなと。サウナも温泉もそうでしたけど、避けても髪は増えないので。

調べてて思ったのは、髪の噂って「もっともらしい理屈」がついてるものほど厄介だなということ。

帽子をかぶるとハゲる、も同じでした。蒸れるから、という理屈があるぶん、なんとなく信じてしまう。

筋トレの話も、テストステロンとDHTという実在する物質が出てくるので、余計に本当っぽく聞こえる。

理屈が通って見えることと、実際にそうであることは別なんだなと。

噂が気になったら、途中の一段が飛んでないか確かめてみる。今回でいえば「テストステロンが増える=DHTが増える」のところでした。

そこさえ押さえておけば、無駄な我慢をしなくて済むかなと。

あの8年間、僕はワックスとタオルと水泳とサウナを駆使しながら、ずっと「これ髪に悪いのかな」と思ってました。

今なら、あのときの自分に言えます。大丈夫だから、堂々と鍛えろと。

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この記事を書いた人

40代。18年以上薄毛と長年つきあってる実践者。20代後半でM字が徐々に来た。薄毛家系なので予防中。「髪にいい」と聞いたら薬もサプリも生活も試してきました(笑)その記録をできるだけ残してます。同じ悩みの誰かに、ちょっとでも届けば。髪のこと、まだ諦めなくていい。早ければ早い方がいいです。

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