薄毛って、来る場所が人によって違います。
生え際から後退していく人。頭頂部からじわじわ薄くなる人。そして、僕みたいに両方くる人。
長年治療してきて、この2つは性格が全然違うなと感じています。
僕は、両方きたタイプ
まず、僕のパターンから。
僕は生え際も頭頂部も、両方気になるタイプでした。しかも父方はハゲの家系図みたいな状態です(汗)
最初に「やばい」と思ったのは、お風呂での抜け毛。そこから鏡でチェックするようになって、生え際も後退してるし、頭頂部も透けてきてるな、と。
どっちか片方だけなら、まだ気が楽だったかもしれません。でも、両方だと逃げ場がない。前も後ろも気になる。あの頃は、けっこうしんどかったです。
進行パターンには、ちゃんと分類があった
調べたら、AGAの進行には国際的な分類があるそうです。ハミルトン・ノーウッド分類というやつで、段階ごとに整理されている。
脱毛の出方は、大きく3タイプに分けられるらしくて。
M字型は、額の両側の生え際が後退するタイプ。O字型は、頭頂部が上から見てO字に見えるタイプ。そしてU字型は、額全体が後退していくタイプ。
僕みたいに生え際と頭頂部の両方から進むパターンも、ちゃんと分類の中にあります。特別なことではないんですね。
ちなみに面白かったのが、この分類はもともと欧米人のパターンをもとに作られていて、日本人などアジア人にはそのまま当てはまらないという話。
そこで日本では、高島巌という皮膚科医が頭頂部の分類(IIvertex)を加えたものが使われていて、日本皮膚科学会の診療ガイドラインでもこの「Hamilton-Norwood-Takashima分類」が使われているそうです。へ〜、そんな経緯があったのか。
気になり方が、全然違う
両方経験してわかったのが、この2つは「気になり方」が違うということ。
生え際は、自分で毎日見えます。
鏡を見れば、真っ先に目に入る場所です。だから、毎日確認できてしまう。「昨日より上がってないか」「ここ、こんなに透けてたっけ」と、朝から凝視することになる。
自分で見えるぶん、精神的な削られ方が早い。毎日自分でダメージを取りに行っている感じになります。
一方、頭頂部は自分では見えない。
つむじって、鏡でもなかなか見えないんです。合わせ鏡をするか、写真を撮らないと確認できない。
だから、普段は忘れていられる。でも、そのぶん不意打ちが強烈で。集合写真で上から撮られたとき。美容室で後ろを見せられたとき。「見えてないだけで、実際どうなってるんだろう」という不安が、常に背中にある。
見える恐怖と、見えない恐怖。性格が真逆なんです。
調べたら、O字型は自分では確認しにくいので、家族や友人に指摘されて初めて自覚する人も多いそうです。あれ、けっこう残酷な気づき方だなと。
調べたら、治りやすさにも差があるらしい
気になって調べてみたんです。「部位によって治りやすさは違うのか」と。
そしたら、けっこうはっきり書いてありました。
生え際は、頭頂部より効果が出にくい。時間がかかる、と。逆に頭頂部は、比較的早く効果があらわれやすいとされているらしいです。
整理すると、こんな違いがあります。
| 項目 | 生え際(M字) | 頭頂部(O字) |
|---|---|---|
| 自分で見えるか | 毎日鏡で見える | ほぼ見えない(合わせ鏡や写真が必要) |
| 気づき方 | 自分で気づきやすい | 人に指摘されて気づくことが多い |
| 治療への反応 | 効果が出にくく時間がかかる傾向 | 比較的早く効果が出やすい傾向 |
| 産毛が残っている場合 | 発毛の可能性はあるが時間がかかる | 発毛の可能性が比較的高い |
| 日常での対策 | 見すぎない工夫 | 定期的に写真等で確認する工夫 |
なるほどなと。僕の実感とも、なんとなく合っていました。
そもそも、なんで生え際と頭頂部が薄くなるのかも調べたら、こういうことみたいで。DHTの影響を強く受ける毛包が、前頭部(生え際)と頭頂部(つむじ)に集中しているから、と。だからこの2ヶ所から薄くなる。
逆に、側頭部や後頭部の毛包はDHTへの感受性が低いので、影響を受けにくい。それで、あの「ドーナツ状に残る」形になるんですね。ハゲ方に一定のパターンがあるのは、ちゃんと理由があったんだなと。
ただし、治療法は部位で変わらない
ここ、大事なところなので書いておきます。
「生え際は治りにくい」と聞くと、生え際専用の何かがあるのかと思いませんか。僕はちょっと思いました。
でも、調べたらそうではなくて。
M字でもO字でもU字でも、原因はDHTという共通のものなので、治療の基本方針は部位によって大きく変わるわけではない、と書かれていました。使う薬も基本的に同じ、と。
つまり、生え際が気になるからといって特別なことをするわけじゃない。同じ薬で、同じようにDHTを抑える。ただ、結果の出方に差がある、という話なんですね。
これを知って、ちょっとスッキリしました。部位ごとに違う対策を考える必要はない。やることはひとつ、と。
治療法は同じでも、日常の付き合い方は部位によって変わるなと感じています。
生え際は、毎日見えるぶん、気持ちのコントロールが課題になります。朝から凝視して落ち込む、というループに入りやすい。
なので僕は、必要以上に見ない工夫をするようになりました。毎日ジロジロ見ても変化はわからないので、月1の写真に任せる。日々は気にしない。
一方、頭頂部は見えないぶん、意識的に確認する必要があります。放っておくと本当に把握できないので。
僕が月1で頭を撮っているのは、まさにここのためです。合わせ鏡だと限界があるので、写真が一番早い。
つまり、生え際は「見すぎないようにする」、頭頂部は「意識して見る」。逆の対応が必要になるわけですね。
同じ薄毛なのに、扱い方が真逆になる。ここが両方きた人間の、地味に面倒なところです。
だからこそ、生え際は早く動いたほうがいい
これ、けっこう大事な話だと思っていて。
生え際が手ごわいということは、気づいた時点で早く動く価値がより高いということなんです。
効果が出にくい・時間がかかるということは、進行してから取り戻すのが大変ということ。だから、まだ産毛が残っているうちに手を打つほうが、圧倒的に有利になる。
調べた中でも、産毛が残っていれば発毛の可能性はあるけれど、頭頂部より効果は出にくいので時間がかかる、継続が大切、と書かれていました。
「生え際が気になり始めたけど、まだ大丈夫かな」と思っている人。そこは一番、様子見が効かない場所かもしれません。時間がかかるからこそ、スタートが早いほど楽になる。
僕がもっと早く動けていたら、生え際はもう少し違ったかもな、と今でもたまに思います。
「治りにくい」は「意味がない」じゃない
ただ、誤解してほしくないのが、ここで。
生え際が治りにくいからといって、治療する意味がないわけじゃありません。
AGAは進行型なので、何もしなければ確実に進みます。効果が出にくい部位でも、治療で進行を抑えられれば、それだけで大きい。「増える」だけが成果じゃなくて、「これ以上減らない」も、じゅうぶんな成果なので。
僕の生え際も、完全復活はしていないけれど、あの頃からずっと守れてはいる。何もしていなかったら、今ごろどうなっていたか。想像するとゾッとします。
手ごわい場所だからこそ、守れていることの価値が大きい。そう思っています。
部位で悩んでる人へ
もし今、「生え際が気になる」「頭頂部が気になる」と悩んでいる人がいたら。
どっちにしても、早く動いたほうがいいのは同じです。とくに生え際は時間がかかるので、なおさら。
そして、自分がどのタイプで、どの段階なのかは、素人には正確にわかりません。僕も両方きていると思っていたけど、実際の進行度は診てもらって初めてわかったので。
特に頭頂部は、自分では見えない場所です。気づいたときには進んでいた、というパターンが一番多い。だからこそ、写真を撮るなり、人に見てもらうなり、確認する手段を持っておくといいなと。
生え際なのか、頭頂部なのか、両方なのか。産毛が残っているのか、そうでないのか。そのへんは、自分の目だけで判断しないほうがいいと思います。部位によって見通しも変わるみたいなので。
見える生え際も、見えない頭頂部も、放っておけば進むのは同じ。だったら、早めに手を打っておいて損はないなと。
僕は今日も、両方をなんとか守りながら生きてます。完璧じゃないけど、続けてきてよかったなと思っています。
最後にひとつだけ。
両方きたときは「なんで自分だけ二重苦なんだ」と思っていました。片方だけの人がうらやましかった。
でも今は、そんなに気にしていません。結局やることは同じだったので。生え際も頭頂部も、同じ薬で、同じように守る。
場所が2つあろうが1つであろうが、やることはひとつ。そう考えると、二重苦でもなかったなと。
比べる相手も、悩む場所も、そんなに重要じゃなかった。動くかどうかだけでした。

