僕、AGA治療を始めてから、薬をやめたことがありません。
途中で種類は変えてきたけど、「飲むのをやめる」はしてない。
今日は、その理由の話です。
やめたら戻ると知って、こわくなった
調べていると、「やめて数ヶ月でまた抜け始めた」という話をけっこう見かけます。これを読むたびにゾッとするんです。
AGA治療って、髪をどんどん増やすというより、進行を抑えながら今の状態を維持していくものなんです。
調べた範囲だと、治療は「続けることが前提」と書かれていることが多くて。抜け毛を抑えた状態を保つための治療なので、中止すると徐々に元の状態へ戻っていくとされる、と。
つまり、やめると元の流れに戻りやすい。これを知って、「じゃあやめられないじゃん」となりました。
プールの中で立ち止まると流される、みたいな感覚に近いのかなと。泳ぎ続けている間は前にいられるけど、止まった瞬間から押し戻される。
クリニックで先生に聞いたときも、似たようなことを言われました。「やめたら維持できなくなることもありますね」って。脅されたわけじゃないんですけど、僕の中ではけっこうな抑止力になっています。
種類は変えても、やめはしなかった
最初はプロペシア。そのあとデュタステリドに変えて、今はミノキシジルも足しています。
中身はちょこちょこ変えてきたんですけど、「飲むこと自体をやめる」という選択肢は、僕の中に一度もありませんでした。
合わないなと思ったら変える。でも、ゼロにはしない。そこだけは長年ブレていないです。
これ、意外と大事なところだと思っていて。停滞したときに「効かないからやめる」と考える人と、「効かないから変える」と考える人がいる。同じ不満から、まったく違う結論になる。
僕はたまたま後者でした。というより、やめるという発想が最初からなかっただけなんですけど。
なんでそうなったのか考えると、最初に「これは進行するものだ」と理解できたのが大きかった気がします。
風邪の薬みたいに「治ったらやめるもの」だと思っていたら、たぶん途中でやめていました。そうじゃなくて、抑え続けるもの。この前提を最初に持てたのは運がよかったなと。
だから、これから始める人には、そこだけ先に知っておいてほしいなと思います。ゴールは「治る」じゃなくて「保つ」なので。
ただ、正確に書いておくと、一度だけ例外があります。
家庭の事情で、半月ほど薬を空けた時期がありました。詳しくは伏せますけど、自分の意思でやめたわけではなく、必要があってのことです。
その半月、心が落ち着かなかった。そして実際、抜け毛が少し増えました。
あのときの不安は、今でもよく覚えています。長年積み上げてきたものが、止めた瞬間からこぼれていくような感覚で。
だから「一度もやめたことがない」というより、「やめられないことを身をもって知っている」のほうが正確かもしれません。
僕が続けている、シンプルな理由
理由を突き詰めると、「ここまで維持できたものを手放すのがこわい」だけです。
何年もかけてやっと安定したのに、やめて元に戻ったら、また同じ思いをする。あの初期脱毛の不安も、停滞期のモヤモヤも、もう一回やるのは無理。
前向きな決意というより、ビビリの継続です(笑)
でも、続ける理由なんて、それくらいで十分だと思ってます。かっこいい理由じゃなくていい。「こわいから続ける」で、僕は全然OKだと思っています。
むしろ、気合で続けようとしないほうが長持ちする気がします。気合はいつか切れるので。
記録が、続ける燃料になっている
もうひとつ、続けられている理由があります。
月に1回、頭の写真を撮っていること。
これ、効果を確認するためでもあるんですけど、それ以上に「やめにくくする装置」として効いています。
何年分もの写真が積み上がっていると、途中でやめるのがもったいなくなるんです。せっかくここまで記録してきたのに、と。
サンクコストと言われればそのとおりなんですけど、まあ、続けるための燃料になるならいいかなと。
それに、迷ったときに前の写真を見返すと「あの頃よりマシだな」と確認できます。感覚だけで判断すると悪いほうに考えがちなので、事実を見られるのは強い。
続ける理由を、自分の外側に作っておく。そういう意味でも、記録はおすすめです。
続けるって、地味だけど難しい
毎日飲むだけなのに、これがけっこう難しいんです。
旅行で持っていくのを忘れる。面倒になる。効いている実感がないと「これ意味あるのかな」と思う。何度もそうなりました。やめたくなった夜も、何度かあります。
特にしんどいのが、変化が見えないとき。増えてるわけでも減ってるわけでもない、横ばいの時期。「これ、飲んでる意味あるのかな」となる。
旅行や出張のたびに、日数分を数えて詰める。この作業も、慣れるまではちょっと面倒でした。忘れたときのことを考えると、多めに持っていきたくなる。
あと、これは調べていて「わかる」と思ったんですけど。治療そのものより、続けることのほうが負担になる場合がある、という話がありました。
外出や旅行、忙しい日など、生活リズムが変わる場面で薬を持ち歩いたり、タイミングを気にしたり。「飲まなきゃ」という意識が日常に入り込むことが、無意識のストレスになるケースもある、と。
あー、これはある〜。薬そのものはただの錠剤なのに、「今日飲んだっけ」を毎日やってると、地味に脳のリソースを持っていかれます。
飲み忘れたときは、どうするか
実用的な話も書いておきます。
調べたら、飲み忘れの対処法はけっこうはっきりしていました。
フィナステリドの場合、気づいた時点で1回分だけ飲む。次の服用時間が近いならスキップして、次から通常どおり。まとめて飲むのは避ける、と。
特にミノキシジルの内服では、まとめて飲むと血中濃度が急に上がって、血圧低下や動悸のリスクが高まるそうです。取り返そうとして倍飲む、は絶対にやってはいけないやつですね。
そして、1日程度の飲み忘れで効果がすぐ失われる心配はない、とも書かれていました。
これ、かなり救われた情報でした。僕は飲み忘れそうになると、それだけで毛がごっそり抜ける気がして焦るタイプなので。1日くらいなら大丈夫、と知っているだけで、無駄に慌てずに済みます。
ただし、数週間単位で忘れ続けると話は別です。血中濃度が下がって作用が出にくくなり、進行する可能性がある、と。ここは線引きしておきたいところ。
続ける仕組みを作るのが早い
じゃあどうやって続けるか。答えは、気合じゃなくて仕組みです。
リマインダーやピルケースを使って、無理なく続けられる環境を整えることが大事、と書かれていました。まさにそのとおりだなと。
僕は毎日必ずやること、たとえば歯磨きにくっつけています。そうすると、意識しなくても手が動く。決意はいらない。
旅行のときは日数分を数えて持っていく。ピルケースに入れておけば、かさばらないし人目も気になりません。
こうやって「忘れようがない形」にしておくと、続けるのは驚くほど簡単になります。歯磨きをやめようと思わないのと同じで。
やめる判断が必要な場面もある
最後に、これも書いておきます。
「やめない」を貫いている僕ですけど、絶対にやめるべきでない、という話ではありません。
たとえば、副作用で頭皮にかぶれやかゆみが出た場合。無理に続けると頭皮環境が悪化して、かえって抜け毛につながることもあるそうです。この場合は速やかに受診して、中止も含めて判断してもらう必要がある。
それと、1年以上続けても変化がない場合。治療法が合っていない可能性があるので、続けるより見直したほうがいい、という記述もありました。
つまり「やめない」が正解なのは、うまくいっている場合の話なんだなと。合っていないものを根性で続けるのは、ただの消耗です。
やめるか続けるかを決めるのは、自分じゃなくて医師。ここだけは崩さないほうがいいなと。
迷っている人は、まず「続けるか悩んでいる」という気持ちを、自分の中でごまかさないでほしいなと。減薬や維持療法という中間の選択肢もあるので、ゼロか100かで考えなくて大丈夫です。
僕は今日も、なんとなく飲んで、なんとなく続けています。それでいいのかなと思っています。
振り返ると、長く続けられたのは、意志が強かったからじゃありません。
やめる理由が生まれにくい形を作れたから。そして、一度空けたときに「やっぱりダメだ」と身をもって知ったから。
その2つだけです。かっこよくはないですけど、結果として長く続いたので、これでよかったんだろうなと思っています。

