AGA治療の話って、たいてい「効果あった/なかった」じゃないですか。
でも、誰も言わないんです。地味な副産物のこと。
僕の場合、それが鼻毛と眉毛でした。
「は?」って思うでしょ(笑)。でもこれ、けっこう切実な話で。今日はその、しょうもないけどリアルな悩みを聞いてください。
ある日、鼻毛の伸びが早いことに気づいた
きっかけは、ふと鏡を見たときでした。
「あれ、鼻毛出てない…?」
いやいや、こないだ切ったばっかりじゃん、と。でも出てる。気のせいかと思って放っといたら、数日後また出てる。
明らかに、伸びるペースが昔より早いんです。
僕、昔は鼻毛のケアなんて全然マメじゃなかった。それが今や、定期的にチェックしないと不安なレベル。鼻毛カッターが完全に生活必需品になりました。
最初は「歳のせいかな」くらいに思ってました。中年あるある的な。でも、どうもそれだけじゃなさそうで。
眉毛も、なぜか元気
よく観察してみたら、鼻毛だけじゃありませんでした。
眉毛も伸びる。しかも変な方向に、ピンと長いのが何本か飛び出てくる。放っとくと「仙人かな?」みたいなのが混ざってくる。
体毛全般も、なんか増えた気がします。腕とか、すねとか。昔はもっと薄かった気がするんだけどなあ、と。
髪は守りたいのに、なんで他のとこが元気になるんだよ、っていう。
一番伸びてほしいところは必死に育てて、伸びなくていいところが勝手に元気になる。なかなか皮肉な話です。
調べたら、やっぱりミノキのせいだった
さすがに気になって、調べてみました。
そしたら、これ「多毛症」という名前がついた副作用でした。しかも、ミノキシジルの内服でもっとも多く報告される変化だそうです。
理由はシンプルで、ミノキシジルの発毛作用が髪だけに限定されないから。血流をよくしたり、成長因子を増やしたりして毛を育てる薬なので、その作用が体毛にも及ぶ。
あー、そりゃそうか〜と。頭にだけ効いてくれ、というのは、薬の仕組み上ムシがよすぎる話だったんですね。
僕は今、デュタステリドとミノキシジルを併用しています。時期的にも、併用を始めてからの変化と重なっているので、たぶんこれで間違いなさそうです。
ちなみに、健康上の問題があるものではないとされています。あくまで見た目の話。そこは安心しました。
逆に言うと、見た目の問題だからこそ、気になる人には切実です。放っておいても体は困らないけど、本人は気になる。そういう種類の副作用です。
数字を見たら、けっこうな確率だった
気になったので、どれくらいの人に起きるのかも調べました。
論文の比較として挙げられていた数字が、内服で15.1%、外用では女性9%・男性1%。条件が違うので参考程度とはいえ、内服のほうが起こりやすいのは間違いなさそうです。
15%というと、7人に1人くらい。えー、けっこう多いな!
そして、この差は納得でもあります。塗る薬は頭皮に留まるけど、飲む薬は全身をめぐるので。作用する範囲がまるで違う。
僕が思いっきり当たっているのも、内服だからなんだなと腑に落ちました。
ちなみに外用の場合でも、頭皮から顔に液が垂れると、その部分の体毛が増えることがあるそうです。塗ったあとに垂れてこないよう気をつける、というのは覚えておいてよさそうですね。
際限なく増えるわけではないらしい
これは知って安心した話です。
多毛は、服用開始から数週間〜数ヶ月で出はじめて、その後は増加のペースが緩やかになっていくのが一般的な経過だそうです。
つまり、ある時点で頭打ちになる。このままいくと全身毛だらけになるのか、と一瞬こわくなりましたけど、そういうことではないらしい。
ただ、落ち着くタイミングには個人差があるとも書かれていました。数ヶ月経っても悪化し続けているように感じる場合は、自己判断せず医師に伝えたほうがいいそうです。体質や用量が影響している可能性がある、と。
そして、もうひとつ安心材料が。服用をやめると、数ヶ月ほどで体毛の濃さは気にならなくなるそうです。
一生この状態、というわけではないんですね。まあ、僕はやめる気がないので、当分このままなんですけど。
具体的にどれくらい変わったかも書いておきます。
鼻毛は、昔は思い出したときに切る程度でした。今は数日に一度チェックしています。放っておくと、本当にすぐ出てくるので。
眉毛は、以前はほぼ放置でした。今は定期的に整えないと、変な方向に伸びた1本が主張してくる。
腕やすねも、夏場は気になります。半袖になる季節は、以前より少し手をかけるようになりました。
一個一個は数分の作業なんですけど、これが毎週どこかしら発生する。トータルで考えると、地味に時間を取られています。
髪のために飲んでいる薬で、別のところの手入れが増える。なんとも言えない話ですけど、まあ、こういうものかなと。
気になるなら、対処法もある
「そこまでして続けたくない」という人もいると思います。実際、仕事柄それが困る人もいるはずで。
調べたら、対処の選択肢もちゃんとありました。
ひとつは、医師と相談して用量を減らすこと。もうひとつは、内服から外用に切り替えること。さっきの数字のとおり、外用のほうが多毛は起きにくいので。
ここで大事なのが、どちらも自己判断でやらないこと。「体毛が増えたから半分にしよう」と勝手に量をいじるのは、いいことがありません。
効果と副作用のバランスを取るところなので、そこはプロに調整してもらうのが確実です。
ミノキシジルの内服量は人によって違うので、発毛と副作用のちょうどいい点を見つけるには経験がいる、と書かれていました。素人が勘でいじっていい領域じゃないな、と。
気になるなら我慢せず、まず相談する。それだけでいいと思います。
僕は許容範囲、ということにしている
で、僕はどうしているかというと。特に何もしていません。
鼻毛カッターを買って、ムダ毛処理機も買って、眉毛を整える頻度を上げて。それで対応しています。
ムダ毛処理機は、正味これを買うことになるとは思っていませんでした。髪の治療を始めた結果、体毛を処理する道具が増えるという。因果関係を説明しないと、誰にも伝わらないやつです。
まあ、髪が守れているなら鼻毛くらい切るか、という気持ちで。いつもの天秤ですね。髪と鼻毛を比べたら、答えは出ています。
むしろ「ちゃんと効いてるな」のサインだと思うことにしました。多毛が出るということは、薬がしっかり働いているということでもあるので。
家族には「また眉毛切ってる」と言われますけど、これも治療の一部ということで(笑)
ちょっと前まで、髪が抜けることばかり気にしていたのに。今は伸びすぎるものを切っている。
状況が変わると、悩みの中身も変わるんだなあと。ぜいたくな悩みになった、と思うことにしています。
同じことで困ってる人へ
この副産物、始める前にはあまり教えてもらえない部分だと思います。効果の話ばかり注目されるので。
でも、実際に治療していると、けっこう身近な悩みです。しかも人に言いづらい。「鼻毛が伸びて困る」って、なかなか相談しにくい話なので。
なので書いておくと、これは珍しいことでも異常なことでもありません。名前のついた、よく報告される副作用です。
そして、増え続けるわけではないし、やめれば戻る。困るほどなら対処法もある。この3つを知っておくだけで、だいぶ気がラクになるはずです。
ちなみに、美容室でこの話をしたら、担当さんも「あー、わかります」と即答でした。あの人も同じ系統の薬を飲んでいるので。
ふたりで鼻毛カッターの話をしてる図、字面だけ見るとひどいですね。でも当事者どうしだと、こういう話がいちばん盛り上がります。
効果が欲しいなら、こういう地味なオマケもセットでついてくる。そういうものだと思って、うまく付き合っていくのがいいのかなと思っています。
それと、これから治療を始める人へ。
副作用というと性機能の話ばかり注目されますけど、実際に日常でよく出くわすのは、こういう地味なほうかもしれません。少なくとも僕はそうでした。
知っていれば「ああ、これか」で済みます。知らないと「なんだこれ、体がおかしいのか」と不安になる。
先に知っておくだけで、無駄に慌てずに済むので。そういう意味で、この記事が誰かの役に立てばいいなと思っています。
気になる度合いが強いなら、遠慮せず先生に言ってください。我慢して続けるより、調整してもらったほうが長く続けられます。
僕は今日も、鼻毛カッターと一緒に生きてます。髪のためなら、安いもんです。

