仕事でヘルメットをかぶらないといけない人がいます。
建設現場、工場、配送、電気工事、農作業。毎日、何時間も。趣味じゃないので、やめる選択肢がない。
そういう人にとって「ヘルメットをかぶるとハゲる」という噂は、けっこうしんどい話だと思うんです。避けようがないので。
僕も昔バイクに乗ってました。ただ、あれは趣味なので、乗らない自由があった。仕事の人は違う。
先に結論を書くと、『かぶってください』です。
やめる話は、一切しません
最初に、この記事の立場をはっきりさせておきます。
かぶらないといけない人にとって、これは選べることじゃない。「気をつけましょう」と言われても、気をつけようがないので。
だからここでは、かぶる前提でできることだけに絞ります。
やめる、減らす、ずらす。そういう話は一切なしで。
というのも、調べる前は僕もちょっと構えてました。「ヘルメットは良くないです」で終わる記事だったら、意味がないなと。
毎日かぶってる人が読んで、何も救われない。それは書く意味がない。
なので、調べたうえで、現実的にできることだけを並べます。
ちなみに僕がバイクに乗ってた頃、髪のことは頭になかったです。
ヘルメットの中が蒸れるとか、脱いだあとに髪がぺしゃんこになるとか。そういうのを気にした記憶がまったくない。
たぶん、まだ薄毛を意識してなかったからだと思います。若かったし、髪もそれなりにあったので。
脱いだあとの髪すら直してなかった気がします。ぐしゃぐしゃのまま平気で歩いてた。今なら絶対に鏡を探すのに(笑)
同じ行為でも、こっちの状態が変わると受け取り方がまるで違う。ヘルメットは何も変わってないのに。
あの無頓着さ、ちょっとうらやましいです。
調べたら、直接の原因ではなかった
まず、結論から。
ヘルメットをかぶることで脱毛症を引き起こす可能性は低い、と書かれてました。
薄毛の原因は、生活習慣や遺伝などいろいろある。でも、ヘルメットそのものが直接の原因になるわけではない、と。
あー、よかった〜。
別のところにも、こうありました。直接原因ではないけど、蒸れ・摩擦・圧迫による頭皮環境の悪化が、すでにある薄毛の傾向を進行させる可能性はある、と。
つまり、犯人ではないけど、共犯にはなりうる。
このパターン、何度も見ました。喫煙も、酒も、筋トレも、全部そうだった。原因はAGA。ただ、環境が悪いと進みやすくなる。
髪まわりの噂って、だいたいこの構造になってる気がします。
「Aをすると薄毛になる」と言われてるものの多くは、実際には「Aは環境を悪くする、そこにAGAがあると進みやすい」という話で。
原因と、悪化要因。ここを分けて考えられるようになると、無駄に怯えなくて済むなと感じてます。
何が良くないのか、3つあった
じゃあ具体的に何が良くないのか。挙げられてたのは3つでした。
ひとつめが、蒸れ。
ヘルメットの中は通気性が悪いので、汗と皮脂がこもります。そうすると雑菌が繁殖して、かゆみや炎症の原因になる。
夏の帽子のときとまったく同じ話です。というか、ヘルメットのほうが密閉度が高いぶん、条件は厳しい。
ふたつめが、摩擦。
かぶったり脱いだり、動いたりするたびに、内側のパッドが髪と頭皮をこすります。それが繰り返されると、頭皮にダメージが蓄積する。
みっつめが、圧迫。
サイズが合ってないと、頭を締めつけます。強い圧迫が続くと血行に影響する可能性がある、という指摘もあります(ただ、ヘルメット程度の圧迫でどこまで影響するか、はっきりしたデータがあるわけじゃないみたいです)。
それと、合わないサイズや重いヘルメットを使い続けると、首や肩のコリにもつながる。それが間接的に頭皮の血行不良を招くこともある、と書かれてました。
なるほど。首や肩から回ってくるルートもあるのか〜。
調べてて、けっこう腑に落ちた一文もあって。
ヘルメットは頭部を衝撃から守るために作られたもので、髪や頭皮の環境を保つことについては考えられてないものがほとんどだ、と。
たしかに、そのとおりで。そもそもの目的が、命を守ることなので。髪の快適さは、設計の優先順位に入ってない。
だから、自分で対策するしかない。道具に期待するんじゃなくて、使い方でカバーする。
3つを表にしてみました。
| 要因 | 何が起きるか | 対策 |
|---|---|---|
| 蒸れ | 汗と皮脂がこもり、雑菌が繁殖しやすい | 通気口のあるタイプを選ぶ、外していい場面で風を通す |
| 摩擦 | パッドが髪と頭皮を繰り返しこする | サイズを合わせる、インナーキャップを使う |
| 圧迫 | 血行への影響が指摘されている(強い締め付けの場合) | サイズを合わせ、締めすぎない |
かぶるときは、ちゃんとかぶる
ここ、絶対に外せないところです。
仕事でかぶるヘルメットは、絶対にかぶる。議論の余地がないです。
蒸れようが、髪がぺしゃんこになろうが、作業中に外す、ゆるめる、後ろにずらす。全部ダメで。
あご紐を締めない、阿弥陀かぶりにする、というのも同じです。守ってるつもりで、守れてない状態になるので。
そもそも、これは法律の話でもあります。
労働安全衛生規則に基づいて、危険な作業では保護帽の着用が定められてます。物体の飛来や落下のおそれがある場所、船台の近くや高層建築の現場で上のほうで人が作業してる場所など。(「2m以上で安全帯」というのは別の条文の話で、保護帽の規定とはちょっと違うみたいです。)
しかも、事業者が着用させる義務があって、労働者は命じられたら着用しなければならない。双方に義務がある形です。
バイクも同じで、道路交通法第71条の4で着用が義務づけられてます。原付から大型まで、排気量に関係なく。違反すると違反点数1点。
そして、これが一番大事なんですけど。
髪より、命のほうが大事です。
薄毛が気になるからヘルメットを外す、というのは、天秤にかけるものが完全に間違ってます。頭部を守らなかった結果は、髪の話では済まないので。
僕はいろんなものを天秤にかけてきました。タバコと髪、恥ずかしさと髪、費用と髪。でも、安全と髪は天秤にかけちゃいけない。
かぶるときは、ちゃんとかぶる。それだけです。
休めるときは、休ませる
で、その裏返しなんですけど。
外していい場面では、外して休ませる。
休憩所に入ったとき、更衣室に戻ったとき、車の中。危険のない場所に移ったら、ヘルメットを脱いで、頭に風を通す。
たったこれだけで、蒸れてる時間が減ります。ずっとかぶりっぱなしにするのと、こまめに休ませるのとでは、頭皮の環境がだいぶ違うはずで。
汗をかいてたら、そのタイミングで拭くのもいいですね。乾いたタオルで、こすらずに押さえるように。
帽子をかぶってる人も同じで、屋内に入ったらいったん脱ぐ。それだけで違います。
かぶるときはかぶる。休めるときは休ませる。このメリハリが、たぶん一番いい形かなと。
ずっとかぶりっぱなしがしんどいのは、髪にとっても本人にとっても同じなので。安全な場所でくらい、頭をラクにしてあげる。
ただ、外していいかどうかの判断は、その現場のルールに従ってください。迷ったら外さない。そこは崩さないほうがいいです。
かぶり方でできること
かぶるのは前提。そのうえで、かぶり方でできることを調べました。
まず、サイズを合わせること。頭に合ったものを選んで、あご紐を適切に調整する。締めつけすぎない、ぐらつかない。この2つを両立させるのが基本です。
サイズが合ってないと、圧迫にも摩擦にもつながる。しかも、ぐらつくヘルメットは安全性能も発揮できないそうです。だから、ここは髪のためだけじゃない。
次に、通気口のあるタイプを選ぶこと。バイク用や自転車用には換気を考えたデザインが多いので、そういうのを選ぶと蒸れを減らせる。
仕事用だと自分で選べないこともあるでしょうけど、選択肢があるなら通気性を見るといいと思います。
それと、インナーキャップ。ヘルメットの下にかぶる専用の帽子ですね。
これがけっこう良さそうで。パッドと頭皮が直接触れないので摩擦が減るし、汗や皮脂も吸ってくれる。吸湿速乾のものを選ぶと、なお良い、と。
毎日ずっとかぶる人には、これが一番現実的かもしれません。安全性を落とさずに、摩擦と汗の両方に効くので。
これは見落としがちなところで。
内側のパッドは、汗や皮脂が染み込んでます。そのまま使い続けると、雑菌が繁殖した状態のものを毎日頭にかぶることになる。
うわ、それはちょっと嫌だな(汗)
取り外せるタイプなら、定期的に洗って乾かす。取り外せないなら、消臭スプレーを使ったり、使わないときに風を通したりする。
帽子の記事でも同じ話を書きました。かぶり終わったらすぐしまわず、内側まで乾かす。ヘルメットも同じです。
それと、これは髪と関係ない話なんですけど。保護帽には交換の目安があるそうです(法律で決まってるわけじゃなく、メーカー基準ですが)。ABSなどの樹脂製は3年以内、FRP製は5年以内。見た目に異常がなくても、性能は落ちていく、と。
古いものを使い続けてる人は、そこも確認しておいたほうがよさそうです。安全のほうの話なので、こっちのほうが大事かもしれません。
帰ってからが本番
そして、いちばん効くのが帰宅後のケアだと感じてます。
その日のうちに洗う。汗も皮脂も、長く置くほど頭皮に良くないので。
洗い方は、ぬるま湯でしっかり予洗いして、泡でやさしく、すすぎは念入りに。ゴシゴシしない。
そして、ちゃんと乾かす。濡れたまま寝るのが一番良くないので。
毎日かぶる人ほど、このリセットが効いてくるはずです。かぶってる時間が長いぶん、戻す作業もしっかりやる。
週に1回だけかぶる人と、毎日8時間かぶる人では、積み重なる量が全然違うので。だったら、リセットのほうも比例させたほうがいい。
やることは風呂で洗って乾かすだけです。既にやってることの精度を上げるだけ、という話でもあります。
毎日かぶる人へ
仕事で、毎日ヘルメットをかぶってる人へ。
まず、かぶるのをやめる必要はありません。というか、やめちゃダメです。法律の話でもあるし、何より命に関わるので。
そして、ヘルメットが直接の原因で薄毛になるわけでもない。そこは安心してもらっていいと思います。
そのうえで、できることはあります。サイズを合わせる。インナーキャップを使う。休めるときは外して風を通す。内側を清潔に保つ。帰ったら洗って乾かす。
どれも、安全を犠牲にせずにできることばかりです。
それと、もし本当に薄毛が気になってるなら。ヘルメットのせいにする前に、一度確認したほうが早いかもしれません。
AGAだった場合、いくらヘルメット対策をしても進行は止まらないので。原因が別のところにあるなら、そっちに手を打つしかない。
避けられないものを気に病むより、避けられるところで手を打つ。そのほうが、たぶんずっと建設的です。
昔の僕は、何も考えずにヘルメットをかぶってました。あれはあれで、幸せだったなと思います。
今は考えるようになったけど、答えは同じ。かぶる。そのうえで、できることをやる。
かぶるときはかぶって、休めるときは休ませる。それでいいんじゃないかなと感じてます。

